単一畑とクリュ

単一畑はワインの品質をあげるために用いられる方法のひとつです。ブドウ畑は土壌や気候条件などの影響で個性が出ます。所有している畑の中で最もよい畑を選んで単一畑のワインに仕上げることで品質の高い銘柄を造るのです。メディチ・エルメーテの場合、単一畑の中でも最もよい区画をクリュと呼んでいます(地域によってはクリュが単一畑を指す場合もあります)。

4代目アルベルトがメディチ・エルメーテに入った1988年当時、このエリアのランブルスコ生産者は農家からモスト(ブドウジュース)を買ってワインを造っていました。そのような時代でも畑を自社で所有していたメディチ・エルメーテは、特別によいブドウのできる畑を選び、単一畑のワインを造りはじめました。畑の名前は「テヌーテ・ランパータ」。アルベルトは周辺のランブルスコ生産者にも品質向上を訴えて単一畑の重要さを伝えて回りましたが、畑や苗を購入してさらに畑仕事をこなすことなどのハードルが高く、すぐに理解を得ることはできませんでした。

1993年にリリースした「コンチェルト」は単一畑の中でもさらによい区画(クリュ)を使って大成功しました。それにより注目され、アルベルトに教えを求める生産者が現れるようになりました。現在では単一畑やクリュでランブルスコを造る生産者が増えてきています。

テヌーテ・ランパータについて

単一畑のテヌーテ・ランパータは、エンツァ川(ポー川の支流)から約100mに位置します。そのため粘土質に砂利、砂質土壌が7%ほど混じっており水はけのよい特徴があります。ランブルスコ・サラミーノ種に一番適しており、できるブドウはタンニン分や濃縮感が強くなります。