ランブルスコはランブルスコ種というブドウ品種から造られます。ランブルスコ種には複数の亜種があり、19世紀末には56種類ありました。そのうち約半分が白ブドウでしたが、現在の主力は6種類ですべて黒ブドウになっています。

6つのブドウ品種
ブドウ品種 栽培地区
特徴
1 ランブルスコ・ソルバーラ モデナ北部、ポー川近辺のみ(大変貴重)
雌雄異株(雌花を付ける樹と雄花の樹が分かれている)というブドウの樹として大変珍しい特徴があります。この特徴のため受粉しにくく、ソルバーラの房につく果粒は一部が成熟しないまま収穫を迎えます。また、受粉した花粉が黒ブドウか白ブドウかによって果実の色が分かれます。房は大小不揃いで、色がバラバラの粒で仕上がります。未熟な果粒が含まれるためランブルスコの品種の中で酸味が最も強く表現されます。白い果粒が混じるため色はかなり薄く、100%で造ると透明感のあるエレガントなワインになります。砂質土壌を好みます。
2 ランブルスコ・グラスパロッサ モデナ、レッジョ・エミリアのそれぞれ中心部と南部
南部はアペニン山脈の麓となり、粘土質土壌で緩やかな丘陵地です。タンニンが非常に強く余韻にはほんのりと苦味を感じさせます。また酸味も豊富です。
3 ランブルスコ・サラミーノ レッジョ・エミリアとモデナの一部
粘土質土壌の平地でよく育ち、酸味とタンニン、糖度のバランスに優れた品種です。ランブルスコにボディーやストラクチャーをもたらします。
4 ランブルスコ・マラーニ レッジョ・エミリア南部が主
サラミーノよりも酸が強め。ストラクチャーのしっかりした品種です。粘土質土壌。エレガントな品種だが、ソルバーラほど酸は感じられない。ロゼに向いており、ショートスキンコンタクトでエレガントなロゼができます。
5 ランブルスコ・マエストリ レッジョ・エミリア西部、パルマが主
DOC.以上のワインではブレンド用品種として使用されます。できあがるブドウは甘く、このブドウでセッコ(辛口)を造るとレッジョ・エミリアやモデナで造られるセッコより甘味の強いランブスルコになります。
6 ランブルスコ・マントヴァーノ(ヴィアダネーゼ) ロンバルディア州(レッジョ・エミリアとマントヴァの間)
畑はポー川付近によく見られ粘土質土壌を好みます。生産量は少ないため補助品種として使われる品種。酸味とタンニンが弱く、甘味や果実味が強いことから出来上がるワインはとてもフルーティでフレッシュ。少し青っぽい風味が感じられます。