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おうちで楽しむ チーズ×シャンパーニュ

おうちで楽しむ チーズ×シャンパーニュ

スパークリングワインの中でも、ひと際気分が華やぐ「シャンパーニュ」。シャンパーニュをおうちに持って帰って、ちょっぴり特別で素敵な時間を楽しみたい!ということで、今回はシャンパーニュの相棒として、「チーズ」とのペアリングをご紹介いたします。

はじめに

スパークリングワインをグラスに注ぐと、いつも心浮き立つような気分になる。

子供のころ、クリスマスや誕生日の前には、いつも両親がガラスのボトルに入ったスパークリングジュースを買ってきてくれた。冷蔵庫を開けては静かに横たわるボトルを眺めて、お祝いの夜を心待ちにしたものだ。

そして当日の、グラスにジュースを注いでもらった時のワクワク感といったら!
キラキラの泡がシュワシュワ立ちのぼるさまが目に楽しいのはもちろん、これから素敵なことが始まるぞ!という合図のようで、スパークリングでの乾杯は幼心に特別なものだった。

大人になって、飲むものはジュースでなくワインになったが、スパークリングワインをグラスに注ぐとやっぱりあの頃のようにワクワクと心躍るのである。

そんなスパークリングワインの中でも、ひと際気分が華やぐのはやっぱり「シャンパーニュ」だろうか。きめ細かく粒のそろった真珠の首飾りのような泡立ちに、あの洗練された、上品で奥深い香り!

昔から多くの人々を魅了し、様々な逸話を持つシャンパーニュ。映画や小説の世界でも、数多くの印象的なシーンで「特別なもの」として存在感を発揮してきた。


そんなシャンパーニュをおうちに持って帰って、ちょっぴり特別で素敵な時間を楽しみたい!ということで、今回はシャンパーニュの相棒として、「チーズ」とのペアリングをご紹介。

シャウルスなど、シャンパーニュ地方で造られるチーズとのペアリングも素敵だが、今回は近くのスーパーで手に入る種類をチョイス。手軽さもペアリングも捨てられない、我儘なモトックスのソムリエが集まって実際に検証してみた。

シャンパーニュのタイプ別にご紹介するので、ぜひお好きなシャンパーニュでお試しあれ。

タイプ1:酸味が綺麗な爽やか系シャンパーニュ

マロラクティック醗酵を殆ど行わないことで生まれる鮮やかな酸が、純粋な果実味とともに際立ちます。
クリーンな果実味とキリッとフレッシュな酸味が魅力。

おすすめのチーズ:カマンベールチーズ、コンテチーズ、スモークチーズ


カマンベールチーズ:検証では味わいの優しいカマンベールをチョイス。しっとりクリーミーな口当たりを、シャンパーニュの綺麗な酸ときめ細かな泡がそっと引き締めるペアリング。程よいまろやかさで、チーズとシャンパーニュのバランスが絶妙。

コンテチーズ:チーズのしっかりした旨味を、クリーンな果実味が引き立てるペアリング。風味もコクも濃厚だがハードタイプでしつこさがなく、特に熟成期間の短いコンテには、フレッシュなNV(ノンヴィンテージ)タイプを選んでボリューム感を合わせるのがお勧め。

スモークチーズ:スモーク感を”ふわん”と引き立てるペアリング。シャンパーニュのスッキリ感がスモーキーさを程よくリフレッシュし、心地よい余韻を楽しめる。

タイプ2:黒ブドウ由来のフルーティさや赤果実の味わいが魅力のロゼ

チェリーやイチゴを想わせるチャーミングな果実味と、ランソンらしいキリッとクリーンな味わいが魅力のフレッシュなロゼシャンパーニュ。キラキラとした鮮やかなピンク色で、食卓も気持ちも華やぐ。

おすすめのチーズ:ブルーチーズ(ゴルゴンゾーラ)、チェダーチーズ


ブルーチーズ(ゴルゴンゾーラ):個性のある香りと塩味を、ロゼシャンパーニュのフルーティな赤果実の味わいが優しく包み込むペアリング。塩味と香りが強いゴルゴンゾーラには、ワインも風味のしっかりとしたものを合わせるのがお勧め。

チェダーチーズ:チェダーの風味とロゼの豊かなアロマが調和するペアリング。樽熟成をしていないスッキリタイプなので、チェダーの香りを心地よく引き立てる。

タイプ3:ふくよかで濃密な味わい深いシャンパーニュ

熟れたリンゴや砂糖漬けのレモンを想わせる、柔らかく濃密なシャンパーニュ。長期熟成したタイプで、豊かな果実味と共に奥深いコクを楽しめる。

おすすめのチーズ:スモークチーズ、チェダーチーズ


スモークチーズ:チーズのスモーキーさと、シャンパーニュの樽熟成由来の香ばしさが高め合うペアリング。存在感のある薫香とシャンパーニュの豊かなボリューム感がちょうど良い。

チェダーチーズ:チーズの酸味とシャンパーニュの酸味が調和。シャンパーニュのフルーティさをチーズが引き立て、クリスチャン・ブルモーの魅力である蜜っぽい甘みに”きゅん”とするペアリング。

チーズに迷ったらコレ!シャンパーニュのベスト・オブ相棒「クリームチーズ」

今回の検証で、3つのシャンパーニュいずれとも素晴らしい相性を発揮したのがクリームチーズ。どのチーズにしよう?と迷ったら、クリームチーズがお勧め。手軽に購入できるのも嬉しいところ。

【クリームチーズ×酸味が綺麗な爽やか系シャンパーニュ】
クリームチーズの爽やかな酸味とシャンパーニュのクリーンな酸味がベストマッチ!お口の中が爽やかになる、フレッシュなペアリング。

【クリームチーズ×黒ブドウ由来のフルーティさや赤果実の味わいが魅力のロゼ】
ロゼのチャーミングな赤果実感が良いアクセントに!クリームチーズにフルーツを添えるような感覚で楽しめるペアリング。

【クリームチーズ×ふくよかで濃密な味わい深いシャンパーニュ】
しっとりとした味わいに、シャンパーニュの蜜っぽさがオン!チーズのまろやかさに、コクとフルーツ感が豊かに広がる奥深いペアリング。シャンパーニュ自体の存在感が素晴らしいので、チーズにクラッカーを添えてボリューム感を足してあげると、さらに大満足のペアリングに。

11月11日はチーズの日

「チーズの日」(11月11日)は、チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会の両団体によって1992年(平成4年)に制定されました。

記念日の由来は、日本の歴史におけるチーズの最古の記録にまで遡ります。西暦700年(文武天皇4年)10月、当時の朝廷が全国に「酥(そ)」と呼ばれる乳製品(現在のチーズの原型)の製造を命じたという記録が、平安時代の古文書『右官史記』に残されています。

この歴史的な旧暦10月を新暦に換算したこと、そして日付の覚えやすさから、11月11日が選ばれました。日本の食文化におけるチーズの長い歴史を再認識し、その魅力を広く伝えるための日となっています。

おわりに

乾杯はもちろん、食後のだんらんやリラックスタイム、お食事に合わせたって美味しいシャンパーニュ。

シャンパーニュを買ったら、「せっかくだし、なにか良いおつまみや食事を用意しよう!」と思う人も多いのではないだろうか。そんな張りきった気分も楽しいけれど、すぐそこで買えるちょっとしたチーズだって、一瞬でステキな時間に変えてくれるのもシャンパーニュの良いところ。

今日はおうちで、なんでもない日をちょっと特別にしてくれる「シャンパーニュの魔法」を楽しんでみてはいかがだろう。

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