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ポルトガル
ポルトガル ミーニョ

トレス・ロストス

TRES ROSTOS LDA

ヴィーニョ・ヴェルデの多彩な表現を追求する造り手

三世代の知恵が紡ぐワイン造り

トレス・ロストスの畑 トレス・ロストスの畑

創設者兼オーナーであり醸造責任者も務めるアントニオ・ソウザ氏は、ポルトガル北部タメガ・イ・ソウザに祖父の代から続くワイナリーに生まれ、幼い頃からブドウやプレス機、発酵槽に囲まれてブドウ収穫やワイン造りを身近に感じながら育ちました。祖父や父からその技術を学びつつ、より良いワインを造るためのアイデアや好奇心を膨らませていきました。その後、30以上の小規模ワイナリーで醸造家やコンサルタントを務め、数々の受賞ワインを世に送り出してきましたが、幼い頃から育んだ自身の理想のワインを具現化するため、2015年に初のソロプロジェクトとして「トレス・ロストス」を設立しました。トレス・ロストスというワイナリー名は、ポルトガル語で「3つの顔」を意味します。これは、このプロジェクトの根幹をなす3世代(祖父、父、そして息子)を象徴しており、過去の伝統、現在の経験、そして未来への希望を表現しています。ワイナリーはポルトガル北部のヴィーニョ・ヴェルデ地方アマランテを中心に、それぞれの土地が持つテロワールとブドウ品種の個性を最大限に引き出すことを使命としてワイン造りを行っています。伝統的な知恵を尊重しながらも、現代的な技術や新しい手法を積極的に取り入れて生まれるワインは、五感に訴えかけ、飲み手を豊かな体験へと導きます。環境への配慮を重要な課題と位置づけ、将来を見据えた持続可能なワイン造りにも取り組んでいます。

哲学を表現する「フロール・デ・リーニョ」シリーズ

亜麻の花をデザインした美しいラベル 亜麻の花をデザインした美しいラベル

ヴィーニョ・ヴェルデD.O.C.で造られる「フロール・デ・リーニョ(Flor de Linho)」シリーズには、自然への敬意と彼らのワイン造りの哲学が込められています。フロール・デ・リーニョはポルトガル語で「亜麻(リネン)の花」(花言葉:感謝)を意味し、人類の歴史の中で最も古い植物由来の繊維であるリネン(亜麻布)の原料でもあります。ワインは、純粋さの象徴とされる亜麻の花そのもののように「しなやかさ」と「確かな強さ」の両方を兼ね備えており、リネンのように自然の力と人が持つ知恵とが組み合わさって生まれたことを表現しています。フロール・デ・リーニョはワイナリーの主要ラインナップとして、アルバリーニョやアヴェッソといったこの地域の多彩なブドウ品種の魅力を最大限に引き出しつつ、フレッシュでアイデンティティのある味わいを目指して造られています。フロール・デ・リーニョは、単なる美しいワイン名に留まらず「伝統的な知恵と自然の力を調和させ、純粋なワインを造る」というトレス・ロストスの姿勢そのものを象徴しています。

ヴィーニョ・ヴェルデの地品種「アヴェッソ」

地品種「アヴェッソ」 地品種「アヴェッソ」

アヴェッソから造られるオレンジワイン「セメンテ」 アヴェッソから造られるオレンジワイン「セメンテ」

アヴェッソはヴィーニョ・ヴェルデを代表する地品種の一つで、ポルトガル北部の他の白ブドウと比べて、一般的にアルコール度数がやや高くしっかりとしたボディを持つワインとなります。また、フレッシュでミネラリック、かつ良好な酸を備えた白ワインを生み出すことでも知られています。果皮は繊細でありながら芳香成分に富み、白い花や白桃などの華やかなアロマをもたらしつつ、適度なタンニン構造を持つことでワインに複雑さと厚みを与えます。熟度が上がるにつれて果皮は黄緑色から黄金色へと変化し、より多彩な表現が可能となります。特にアマランテやバイアンといったヴィーニョ・ヴェルデ南部のサブリージョンでは、花崗岩質土壌や山間の地形、降雨量の少なさといった条件が揃い、この品種のポテンシャルを最大限に引き出します。標高150〜550mの山間の地形に位置し、大西洋の影響を適度に受けるトレス・ロストスの畑でも、アヴェッソはゆっくりと均衡の取れた成熟を遂げます。特定のテロワールを必要とするため生産量は限られますが、その分、明確な個性と高い品質を備えた特別な存在です。

◆オレンジワインとしての表現
アヴェッソは果皮のポテンシャルの高さから、長期間のスキンコンタクトにも適した品種です。果皮とともに発酵させることで、アンバー色を帯びたストラクチャーのしっかりとしたオレンジワインが生まれます。タンニンは明確に感じられながらも滑らかで、アロマは果実のニュアンスだけでなく、アーモンドのような香ばしさや時に土のような要素へと広がり、奥行きのある複雑な表情を見せてくれます。トレス・ロストスではこのアヴェッソを、なんと200日以上も果皮浸漬させて個性的なオレンジワイン「セメンテ」を造ります。時間をかけて果皮の旨味成分がじっくりと抽出された後、プレスせずにボトリングされるこのオレンジワインは、長期間のスキンコンタクトを経たとは思えないほど滑らかで複雑味のある味わいです。品種由来の高い酸、きめ細やかなタンニン、ドライな味わいとノンフィルターによる旨味が、食事に寄り添う非常にガストロノミックなワインとなっています。