食後酒とは?
食後酒とは、食事のあとに少量楽しむお酒のことです。デザートやチーズ、ナッツ、ドライフルーツなどと合わせたり、食事の締めくくりにゆっくり味わったりします。
フランス語では「digestif(ディジェスティフ)」と呼ばれます。食前酒を意味する「apéritif(アペリティフ)」に対して、ディジェスティフは食後に楽しむお酒を指します。
甘口ワインや酒精強化ワイン、ブランデー、グラッパ、マールなど、香りや甘み、アルコール感をゆっくり味わえるお酒が食後酒として親しまれています。
食後酒と食前酒の違い
食前酒は、食事の前に気分を高めるための一杯。食欲が刺激されるドライなものやビターなもの、軽やかで爽やかなものが選ばれることが多いです。
一方、食後酒は食事のあとにゆっくり楽しむお酒。デザートにタイムに合わせて甘口のワインやアルコールと香りの高い蒸留酒など、少量でも満足感のあるお酒が向いています。
| 食前酒 | 食後酒 | |
|---|---|---|
| フランス語 | アペリティフ | ディジェスティフ |
| イタリア語 | アペリティーボ | ディジェスティーヴォ |
| 飲むタイミング | 食事の前 | 食事の後 |
| 役割 | 食欲を高める、食事の始まりを楽しむ | 食事の余韻を楽しむ |
| 味わい | 辛口・軽やか・爽やか | 甘口・濃厚・香り高いものが多い |
| 代表例 | スパークリングワイン、辛口シェリー、ベルモットなど | 甘口ワイン、ポート、シェリー、グラッパ、ブランデーなど |
食後酒にはどんなお酒がある?
食後酒にはこれといった決まりがあるわけではありません。食後のシーンに向いたお酒全般が食後酒ということになります。
とはいえ食後のシーンで好まれてきた「定番」の代表的なものには共通点があり、デザートと一緒に楽しみやすい『甘口ワイン』、コクのある味わいが魅力の『酒精強化ワイン』、食事の締めに少量をゆっくり味わう『蒸留酒』などが挙げられます。
■甘口ワイン…華やかでときには濃厚な甘みと酸味のバランスが特徴です。食後酒を初めて楽しむ方におすすめ。
■酒精強化ワイン…ワインにブランデーなどの蒸留酒を加えて造られるお酒で、ポートやシェリー、マデイラなどがよく知られています。
■蒸留酒…ブランデー、ウィスキーのようにアルコール度数が高く、香りが豊かで、少量でも満足感のある味わいを楽しみます。
| 種類 | 特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| 甘口ワイン | 甘みと酸味のバランスがよく、デザート感覚で楽しめる | 食後酒初心者、甘いものが好きな方 |
| 酒精強化ワイン | コクがあり、保存性が高い | ワイン好き、少しずつ長く楽しみたい方 |
| 蒸留酒 | 香り高く、少量で満足感がある | お酒に強い方、食事の締めに楽しみたい方 |
甘口ワイン │ 至福のデザートタイムを優雅に
甘口ワインとは?
甘口ワインは、食後酒を初めて楽しむ方にもおすすめしやすいお酒です。
濃密な甘みがありながら、上質な甘口ワインは酸味とのバランスが美しく、甘ったるく感じにくいのが魅力。食後のデザートやチーズに寄り添いながら、食事の余韻をゆっくりと引き立ててくれます。
甘口ワインには、貴腐菌の働きによって造られる「貴腐ワイン」や、完熟したブドウを遅く収穫して造る「レイトハーヴェスト」、凍ったブドウから造る「アイスワイン」など、さまざまなタイプがあります。
造り方によって甘みの質感や香りの印象が異なり、はちみつのように濃厚なものから、フルーツのようにみずみずしいものまで個性豊かです。
おすすめの甘口ワイン
甘口ワインの飲み方・保存方法
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 温度 | 4〜10℃程度 |
| 1杯の目安 | 45〜60ml程度 |
| グラス | 上部にふくらみがあるやや小ぶりのワイングラス |
| 保存方法 | 開栓後は冷蔵庫またはワインセラーで保存 |
| 保存期間 | 約3週間を目安に飲み切る |

甘口ワインは、しっかり冷やしと甘味と酸味のバランスが良くなりワインの風味が引き立ちます。
グラスは、上部にふくらみのあるやや小ぶりなグラスにすると、甘口のうっとりするアロマを楽しむことができます。量はグラス一杯の45から60ml程度が適量です。
開栓後は、冷蔵庫やワインセラーなどの冷暗所で保存します。開けたあとは風味が少しずつ変化していくため、できるだけ早めに楽しむのがおすすめです。目安としては、開栓後3週間ほどで飲み切るとよいでしょう。
酒精強化ワイン │ ワインが好きな方や、飲み足りない方に
酒精強化ワインとは?
酒精強化ワインとは、ワインの醸造途中、または醸造後にブランデーなどの蒸留酒を加えて造られるお酒のことです。
英語では「フォーティファイドワイン」と呼ばれ、通常のワインよりもアルコール度数がやや高く、コクのある味わいを楽しめるのが特徴です。
代表的なものには、世界三大酒精強化ワインとして知られるポート、シェリー、マデイラがあります。
いずれにも辛口から甘口まで幅広い銘柄がありますが、一般的に食後酒向きなのは甘口です。
ポートは濃密で深く、シェリーは甘みのなかに独特の潮のような風味があり、マデイラは加熱熟成による香ばしさや複雑な風味が魅力です。
おすすめの酒精強化ワイン
酒精強化ワインの飲み方・保存方法
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 温度 | 10〜16℃程度 |
| 1杯の目安 | 45〜60ml程度 |
| グラス | 小〜中ぶりのワイングラス |
| 保存方法 | 冷暗所、冷蔵庫、ワインセラーで保存 |
| 保存期間 | 約1ヶ月以上を目安に飲み切る |

酒精強化ワインは、さまざまな種類があるため一概にはお伝えしにくいですが、おおよそ10℃から16℃が適温とされています。甘口ワインと同様に45から60mlほどが適量です。
グラスはなだらかな曲線が美しい小~中ぶりグラスがおすすめです。複雑な香りをより楽しみたい方はやや大ぶりなグラスでもかまいません。
開栓後は、ボトルの口をしっかり閉め、冷蔵庫やワインセラーなどの冷暗所で保存しましょう。保存期間の目安は、開栓後1ヶ月ほどです。
蒸留酒 │ 食事の締めに少量楽しむ香り高いお酒
蒸留酒とは?
蒸留酒とは、醸造酒を蒸留して造られるお酒のことです。ワインやビール、日本酒のような醸造酒に熱を加え、アルコール分だけを集めることで、香りや味わいが凝縮されたお酒になります。
中でもワイン造りの際にできるブドウの搾りカスを醸造・蒸留したマール(フランス)やグラッパ(イタリア)の香りの複雑さ、奥行きのある味わいは別格です。
アルコール度数は40%前後と高いため、少量をストレートでゆっくり飲むのがおすすめです。
おすすめの蒸留酒
蒸留酒の飲み方・保存方法
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 温度 | 10〜18℃程度 |
| 1杯の目安 | 約30ml |
| グラス | 下半分に丸みを帯びた小ぶりのグラス |
| 保存方法 | 直射日光を避け、常温または冷暗所で保存 |
| 保存期間 | 1年以上を目安に楽しめる |

蒸留酒はアルコール度数が高いものが多いため、30ml程度を目安に、少量をゆっくり味わうのがおすすめです。
グラスは、下半分に丸みを帯びた形状のものがおすすめです。冷やしすぎず、10〜18℃程度を目安にすると、豊かで複雑な香りが立ちやすくなります。
開栓後は、直射日光や高温を避け、常温または冷暗所で保存します。蒸留酒はワインに比べて保存性が高く、開栓後も長く楽しめるものが多いですが、香りは少しずつ変化していきます。ボトルの口をしっかり閉め、できるだけ状態のよいうちに楽しむのがおすすめです。
まとめ
食後酒は、たくさん飲むよりも、少量をゆっくり味わうのがおすすめです。デザートやチーズ、ナッツ、ドライフルーツなどと合わせれば、いつもの食後の時間が少し特別なひとときに変わります。
まずは飲みやすい甘口ワインや、保存しながら少しずつ楽しめる酒精強化ワインから試してみるのもよいでしょう。食事の余韻を楽しむ一杯として、ぜひ好みに合う食後酒を見つけてみてください。




