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ソムリエ検証!いろんな『缶詰』にワインを合わせてみる

ソムリエ検証!いろんな『缶詰』にワインを合わせてみる

蓋を開けるだけで簡単におつまみになる『おつまみ缶詰』を、本気でワインに合わせて試してみました。コンビニやスーパーマーケットで手軽に購入できる缶詰とワインのペアリング実験結果をご紹介します。

この検証で試した缶詰は全部で13品。
コンビニ・スーパーマーケット・ドラッグストアや酒販店で購入しました。
手軽に購入できるはずなので、ワインのおつまみにしたいときに是非お試しください。

全体的な印象は、缶詰は総じて味つけがやや濃いめです。また、甘みの強いものが多く見受けられました。

ワインを選ぶならばミディアムボディの赤で果実感がしっかりしたものであれば比較的どんな缶詰でもオールマイティに合わせられると思います。

こちらが検証結果です。




ワインの種類ごとの缶詰ペアリング一覧
ワインの種類 缶詰
カベルネ・ソーヴィニヨン(ラ・フォルジュ・エステイト) うずらの燻製、サバの味噌煮、牛肉の赤ワイン煮
シラー(エル・コンベルティード) 焼き鳥(塩味)、オイルサーディン、牡蠣の燻製、さんまの蒲焼、豚の角煮、牛肉の赤ワイン煮、ほぐしコンビーフ
サンジョヴェーゼ(プリモ・フィオーレ) 焼き鳥(タレ味)、オイルサーディン、サバの味噌煮、豚の角煮
ピノ・ノワール(クロスター・ファルツ) 焼き鳥(タレ味)、ホタテの燻製
ヴィオニエ(クライン・オランジェリー) うずらの燻製、さばのレモンバジル、フルーツ缶
シャルドネ(デル・スール・レセルバ) サバの味噌煮、ホタテの燻製
リースリング(クロスター・モーゼル) 焼き鳥(塩味)、豚の角煮
ソーヴィニヨン・ブラン(メタル) さばのレモンバジル、牡蠣の燻製、ほぐしコンビーフ
スパークリング(バルディビエソ・ブリュット) オイルサーディン、さばのレモンバジル、さんまの蒲焼、ホタテの燻製

検証結果をまとめると

  • オイル・燻製 ➡ 酸や香りのある白/スパークリング
  • 甘辛煮込み ➡ 果実味のある赤 or 甘口白
  • 肉缶 ➡ 赤ワインで旨みを重ねる/甘口白で意外性を出す
  • フルーツ缶 ➡ 甘口・アロマティック白
  • 缶詰は味が濃い/甘辛/燻製/オイル感が多い ➡ それを受け止める酸・果実味・香りがポイント

燻製うずらの卵

燻製風味がついたうずら卵をオイル漬けしたもの。黄身のコクがワインをそそり、一口サイズなのがうれしい。

ワインのこってりした味わいと同調し、うずらの黄身のコクが増します!
和風の味付けなのに、洋風に変化するみたい!新しいペアリングです!

焼き鳥(塩味)

鶏肉がほろほろ崩れるような食感。甘めの味付けで焦げ風味がちゃんと再現されているところがポイント。

シラーの程よい果実味が脂っこさを流してくれる感覚。ワインがはかどります!
缶詰の甘みとワインのほのかな甘みが同調してペアリングが成立

焼き鳥(タレ味)

ほろほろしたフレーク状の鶏肉で、醤油風味のきいたタレは甘じょっぱいかんじ。赤ワインがよく合います!

タレの程よい旨味は、ピノ・ノワールの余韻と絶妙です
タレの甘みにワインのほどよい果実味が相性◎

オイルサーディン

オイルサーディンはおつまみ缶詰の王道ではないでしょうか?オイル感とワインをどう組み合わせるかがポイントになります。

オイリーさをすっきり洗い流してくれる、スパークリングワインは間違いありません
軽めのタンニン(渋み)の赤は、後味のまとまりが良くなります
こちらもミディアムボディの赤。オイルをまろやかにしてくれるような感覚でした

サバの味噌煮

和テイストの味噌煮も、意外なことに赤ワインがマッチするという結果に!

赤ワインの果実風味と味噌煮のマイルドな味わいが相性◎
こっちの赤もほのかなワインの果実味とマッチ。タンニンで口がリセットされる感覚
シャルドネの果実味やコクも、サバ味噌とマッチしますね。旨味が同調するようです

さばのレモンバジル

味噌煮だけではなく、サバ缶には洋風のもあるんですね!これは白ワインに合いそうです。

ここでもスパークリングワインは鉄板!レモンバジルのさわやかさを増幅させてくれます
バジルの華やかさとヴィオニエのアロマは相乗効果がありますね。ワインのもつ柑橘と白コショウのニュアンスがバジル・レモン感とよく合います
バジル、ワインともにハーブ感があり、脂ぽさとワインのライム感がきれいに合わさります!

ホタテの燻製

醤油風味に仕上げられているのに、意外とワインを選ばず赤・白・スパークングどれにも合う万能選手。

ワインについた樽のニュアンスと相まってまるでホタテバターのように!コクのある味わいがホタテのうまみをUP
味付けの醤油出汁風味はピノ・ノワールの果実味とよく合います
スパークリングは3度目の登場。ここでもオイリーなホタテの味わいと果実味のボリューム感が相性◎

牡蠣の燻製

一般的に牡蠣におすすめは白ワインですが、この缶詰は燻製されているところがポイントで赤ワインでもいけます!

赤ワインのコクと燻製牡蠣の濃厚さが相性◎意外!
すっきり柑橘のニュアンス。牡蠣のコクや旨味をリセットしてくれる

さんまの蒲焼

これにはさすがにビールか、日本酒か… やはりスパークリングワインは合いました!

果実味のあるスパークリングワインとかば焼きのたれの甘みが相性◎

豚の角煮

甘い脂と甘いタレ。赤はもちろんですが、意外と白ワインも!

ワインのほのかな甘みと角煮の脂身の甘みが余韻でマッチしました。甘味・酸のバランスがよく、角煮のたれと同程度のボディ感があります
果実味が軽やかで程よい酸があるワイン。角煮の甘みと同調するので長時間飲める組み合わせ
このワインの黒系果実やドライフルーツのニュアンスが、角煮のたれの風味と合う

牛肉の赤ワイン煮

赤ワインで煮込んだ牛肉を、赤ワインに合わせる。缶詰を開けるだけのこの手軽さは幸せ!

牛の噛み応えある触感とワインのほどよいタンニン感がマッチします
牛肉のうまみとシラーの果実味が相性◎

ほぐしコンビーフ

スパイシーな味付けになっているところが、ワインとの相性を探るポイントに。

ビーフと白ワイン、かなり変化球のペアリングですがコンビーフのスパイシーさとワインのハーブ感が面白い。誰かにそっと教えたくなる組み合わせです。
シラーのスパイシーさがコンビーフのブラックペッパーのニュアンスと相性◎ワインの果実感がスパイシーさを調和させてくれます

フルーツ缶

昔なつかしい甘いシロップ漬けフルーツ。大人になったら、なんとワインのおつまみに!

白ブドウ品種「ヴィオニエ」独特のアロマティックさとフルーティな香りが相乗効果をうみます!

缶を開けて、グラスを傾けるだけ。
ワインと缶詰があれば、どこでも小さなビストロのような時間を楽しめます。ぜひお試しください。

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