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EDDA、白いブーケのごとく、大切な「彼女」というワイン

EDDA、白いブーケのごとく、大切な「彼女」というワイン

大切な彼女をイメージし、大切な人に花束を贈るようにこのワインを贈ってほしいという思いから、華やかさとミステリアスな魅力を表現した、イタリア・プーリア州の白ワイン「エッダ」。

「EDDA(エッダ)」を調べると、北欧神話の初期(ヴァイキング時代)の形態を伝える文書群のことで、北欧の神話と英雄伝説を伝える歌謡の集成のようだ。

17世紀に発見された、9世紀から13世紀にかけて古ノルド語で書かれた歌謡集(詩群)と、13世紀のアイスランドの詩人スノッリ・ストゥルルソンが記した詩学書の2種類を指し、前者を「古エッダ」、後者を「新エッダ」などと区別するらしい。



さて、このワインの「EDDA(エッダ)」の生まれは北欧ではなく、イタリア南部のプーリア州。
よくブーツの形で例えられるイタリアの、かかとの部分にあたる。

プーリア州で一番有名な都市といえば、Alberobello(アルベロベッロ)。トゥルッリと呼ばれる、とんがり屋根と白い壁が特徴の家が並び、類を見ないユニークな風景。ユネスコの世界文化遺産にも登録されている。余談だが、アルベロベッロと日本の世界遺産白川郷とは姉妹都市で、どちらも特徴的な屋根の形の家で有名な都市が友好関係を結んでいると思うと、心が温まる。

美しい自然と歴史などから世界のセレブにも人気の場所で、サッカーの元イングランド代表デビット・ベッカム一家や世界的アーティストであるマドンナなどもバカンスに訪れている。
日本では宇多田ヒカルさんがイタリア人のパートナーと結婚式を挙げられている人気の場所。

自然や歴史だけでなく、食の宝庫とも言われ、2つの海からとれる新鮮な魚介類や野菜が取れる産地でもある。
特にトマト、オリーブオイル、ブドウの生産量はイタリアでもトップ。



イタリアのトマトにサン・マルツァーノという品種があるが、このエッダというワインを造っている生産者が、同名の「サン・マルツァーノ」というワイナリーだ。

1962年、19人の地元ブドウ栽培農家 が設立。地ブドウを中心に栽培していたが、2000年頃から自社ワインの生産を開始。プーリア伝統のブドウ造りの哲学・手法を守り続けながらも、南イタリアならではの新鮮な果実味を活かしたモダンテイストなワインは世界的に人気を博すようになったらしい。

サン・マルツァーノが位置するプーリアの南部では温暖な気候からブドウが良く熟す。
ここの土壌は、土の深さ約50cm程度で、その下は石灰石となっており、ブドウの根はすぐに石の部分まで届く。好石灰性のブドウには最適で、また土表は鉄分を多く含むことから赤色を帯びており、これによりブドウの実が赤くなるといわれる程らしい。
またブドウ畑と海との距離は車で5分程度と近く、海風で朝夕は畑が冷やされ、果実味に溢れながらもきちんと酸味を保ったワイン造りを可能にするとのこと。



そんな好条件で育ったシャルドネ種、フィアーノ・ミニュートロ種、モスカート種の3品種からできるエッダ。
「彼女」を表す名前らしい。

大切な彼女をイメージし、大切な人に花束を贈るようにこのワインを贈ってほしいという思いから、華やかさとミステリアスな魅力を表現するため、このブレンドになったとのこと。

そう聞くと、ラベルの白が基調にある模様は、ウェディングドレスを想像させる。よく見ると、「EDDA」の下に「Lei(イタリア語で彼女)」とも。 また瓶の形からも、白い花束のブーケを逆さまにしたかのように思えてしまうから不思議だ。

グラスの注いだワインは輝きがあり、生産者の思いの通り華やかさと濃密な香りが漂う。
柑橘類の花や、白桃や梨を思わせるような芳醇さ。白コショウのようなスパイス感も感じられる。
口に含むと果実のジューシーさときれいな酸味のバランスがちょうどよい。
上品さもありながら、人懐っこい印象もある、魅力的なワイン。



友達との気軽な食事会でも、ちょっと背伸びをしたディナーの時でも、その魅力を感じさせてくれる素晴らしい「彼女」だ。

ご紹介したワイン「エッダ」はこちら

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