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フランス
フランス コート・デュ・ローヌ

ドメーヌ・ポール・ジャブレ・エネ

Domaines Paul Jaboulet Aine

「良いブドウ無しに、偉大なワインは生まれない」
テロワールに根差した北ローヌの名門ワイナリー

200年に亘る長い歴史

ドメーヌの歴史は1834年、アントワーヌ・ジャブレ氏がこの地でワイン事業を興したことに始まります。彼の息子のポール、アンリを含む6世代がこの家業を守り継ぎ、2006年にシャンパーニュのワイン実業家であるフレイ家の手に渡ります。以来、ボルドーのメドック格付3級シャトー・ラ・ラギューヌの醸造責任者でもある長女カロリーヌ・フレイ氏が指揮を執ります。2010年からはグラヴィティ・システムを利用した最新のセラーが稼働しています。

メゾン・ブルーの由来となった作業小屋 メゾン・ブルーの由来となった作業小屋

フレイ家を牽引するオーナー

6代に亘り受け継がれてきたジャブレ家の歴史を2006年に引き継いだのは、シャンパーニュのワイン実業家フレイ家の長女、カロリーヌ・フレイ氏です。ボルドー大学醸造学部では故ドゥニ・デュブルデュー氏に師事。ボルドーのメドック格付3級シャトー・ラ・ラギューヌ、ブルゴーニュのシャトー・コルトン、そしてポール・ジャブレ・エネと3つの醸造責任者として、畑とセラーを行き来する多忙な日々を送っています。

オーナー醸造責任者:カロリーヌ・フレイ氏 オーナー醸造責任者:カロリーヌ・フレイ氏

フランス随一のテロワール「エルミタージュの丘」

タン・レルミタージュ村の背後にそびえるエルミタージュの丘は、中央山塊を起源とする花崗岩質土壌が基盤となっています。丘は大きく西と東に分かれ、西側は花崗岩の基盤の上に砂や石などの薄い表土が覆っており、ベサールやメアルなど最良のリューディが集まっています。対して東側は標高が低く、シルトや粘土が多くなっています。そのため水分保持力が高く、白ブドウに適した区画が多いのが特徴です。

頂上から眺めるエルミタージュの丘 頂上から眺めるエルミタージュの丘

テロワールに根差す、オーガニックな畑仕事

「良いブドウ無しに、偉大なワインは生まれない。我々が最も大切にしているのは、畑を耕し、ブドウの樹を育てることだ。」その哲学通り、ジャブレでは一年を通じて畑での観察と手当を怠らず、ブドウ樹一本一本が理想的な成長と熟度になるよう、最大限の注意を払っています。以前から農薬や化学薬品の使用を制限した総合的管理農業を行っていましたが、2006年からはビオディナミを実践。さらに2016ヴィンテージからはドメーヌの全ワインが有機認証を取得するようになりました。

畑は急峻なため機械が入れず、全て人と馬の力で作業が行われる 畑は急峻なため機械が入れず、全て人と馬の力で作業が行われる

「20世紀最高のワイン」に選ばれたラ・シャペル

ポール・ジャブレ・エネ社の最高傑作といえば、なんといっても「ラ・シャペル」です。

かのロバート・パーカー氏が「間違いなく世界で最も偉大なワインの一つ」と評したこのエルミタージュは、アペラシオン最高のワインの一つとして世界中のワイン愛好家の垂涎の的となっています。ワイン・スペクテーター誌が1999年に行った100年に一度の特別企画「20世紀最高のワイン12本(Wines of the Century)」にて、このワインの1961ヴィンテージに100点を与え、12本のうちの1本に選出しました。

エルミタージュ「ラ・シャペル」 エルミタージュ「ラ・シャペル」

エルミタージュの歴史を物語る、ジャブレのワインたち

ジャブレ社が誇るフラッグシップ「ラ・シャペル」は、エルミタージュの起源を辿る歴史的な物語に由来しています。1224年、ガスパール・ド・ステランベールという騎士が十字軍遠征の帰途、戦争での己の罪深さを悔いてこの地に小さな教会を建て、ブドウを育てワインを造りました。そのワインが評判を呼び、やがてフランス随一の名声を得るまでになります。これがエルミタージュ(隠者の庵)の始まりの歴史と言われています。この教会(シャペル)は1919年からジャブレ社が単独所有し、エルミタージュを象徴する歴史的建造物として今も丘の頂上でその姿を拝むことができます。またエルミタージュの白「シュヴァリエ・ド・ステランベール」も、かの騎士の名に由来しています。

ステランベールが建てたとされる丘の上の教会「ラ・シャペル」 ステランベールが建てたとされる丘の上の教会「ラ・シャペル」

地球環境とサステーナビリティのアプローチ。「The Amorim Biodiversity Award」受賞!

ポール・ジャブレ・エネでは、地球環境によりそうアプローチを実践しています。

テロワールと生物多様性の尊重する姿勢と実績が評価され、ドリンクビジネス・グリーン・アワード2021にて「Amorim Biodiversity Award」を受賞しました。

 

2021年 / 白ワインは偉大な仕上がり、赤ワインは試練のヴィンテージ

白ワインは素晴らしいものが出来ましたが、赤ワインは試練の迎えたヴィンテージです。冬は例年より温暖な気候と、急な降雪とが交互に訪れ不安定な気候に始まりました。また、霜被害と強い寒波に見舞われため、局地的に北ローヌでは生産量に差があります。芽吹きが例年より早かったため、霜の影響を受けやすく、気温も安定しなかったため、徐々に生育が遅れ、最終的に収穫は例年より2週間ほど遅れました。ジャブレでは、畑での継続的な作業を行い苦労したヴィンテージです。その甲斐もあり、収穫されたブドウは皮がきめ細かく、大きさも丁度良いサイズに仕上がりました。例年よりも夏場は冷涼な気候だったことで、偉大な白ワインが造られました。クラシカルなヴィンテージに仕上がり酸度の高い素晴らしいものが出来ています。対して、白ブドウの収穫後に、黒ブドウの収穫を行いますが、このタイミングで残念ながら降雨に見舞われてしまったため、大変苦労したヴィンテージです。とはいえ、2021年のシラーにはピュアなアロマが感じられ、フルーティーでありながらスパイシーで、エレガントなテクスチャーを持ちます。凝縮感よりも甘さが際立つ味わいです。フレッシュで長いフィニッシュが特徴です。前ヴィンテージとは対照的な異なるクラシカルな良さがあります。

2020年 / 酸と果実味のメリハリが感じられ 凛とした美しさのあるヴィンテージ

2020年は生育サイクルの早いヴィンテージになりました。冬はとりわけ温暖で、ブドウの活動が早く始まりました。この年の春は、過去を遡ってもフランス全体で非常に温かい年でした。降雨は例年通りありました。そのおかげで、開花は例年よりやや早く、順調に進みました。7月初旬は大変暑く、降雨も無かったためブドウ樹の生育に必要な水分が不足することによる、ストレスが心配されましたが、樹の生育が落ち着き、ブドウの色付き(ヴェレゾン)が始まりましたので安堵しました。収穫は例年より早く開始、820日~914日迄行いました。収穫期も天候に恵まれ、健全で高品質な美しいブドウが収穫できています。白は酸と果実味のメリハリを感じる硬質で凛とした素晴らしい仕上がりです。赤は例年よりアルコールは控えめですが、凝縮した色合いで、クラシカルながらも深み、奥行きのあるヴィンテージに仕上がりました。

2019年 / 気候変動に悩まされながらも、時間をかけて成功したビッグヴィンテージ

2018年-2019年にかけての冬は乾燥した気候が続きました。2月以降、例年よりも気温が上昇したため、前年よりも早い発芽。しかし、3月-4月上旬に気温は下がり、初夏までの気温は10年平均を下回りました。67日、非常に良いコンディションで開花したものの、615日、雹の嵐に見舞われたことで、成長は減速。6月末から7月の初めにかけては、気温が上昇し猛暑になりました。気候条件が大きく変動したヴィンテージではありましたが、ブドウの樹を尊重しながら、注意深く、細やかな対応を実践。最終的には、非常に健康的なブドウを収穫することができました。

2018年 / 理想的な状態での収穫が出来た、 力強さのあるヴィンテージ

2017-2018年にかけての冬は適度な降雨がありましたが、例年より乾燥していました。冬の期間、気温はぐっと下がり、4月上旬まで寒さが続いたため、ブドウの発芽の遅れに繋がりました。4月以降は、例年よりもやや暖かい日が続きましたが、7月の始めには気温が急上昇します。水分不足が懸念されましたが、7月-8月には猛暑と恵みの雨が交互に訪れたことでブドウは急速に成長していきました。8月以降は雨も落ち着き、完璧な状態でブドウが育ちました。9月の収穫は非常に暑い中で行われ、素晴らしい状態のブドウが収穫出来ています。

2017年 / しなやかな酸と凝縮した果実味があり、早くから楽しめるスタイル

2017年の北ローヌは予期せぬ一進一退の変わった天候となりました。冬は乾燥しており例年より気温の上昇が早く、発芽が早く開始するも、春先に再び気温が下がり、霜が降りるなど芽の成長が止まりました。水分不足は5月に恵みの雨が降り解消されることになるが6月以降、茹だるようなような乾燥した夏が訪れたことでブドウの成熟が一気に早まります。猛暑は酸度を低下させるが、再び8月末に雨が降ったことでブドウ樹に活気が戻ってきました。昨年より収穫開始は2週間ほど早かったが、10月の中旬までは雨が降ることが無く、収穫のタイミングをしっかりと見極めることが出来ました。糖度と酸度をしっかりと保持した小粒のブドウが収穫出来ています。ワインはしなやかな酸と凝縮した果実味があり、早くから楽しめるスタイルのワインに仕上がっています。