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ワインのキホン

普段のワインにデキャンタは必要?効果とデメリットを解説

普段のワインにデキャンタは必要?効果とデメリットを解説

ワインの味が良くなるとされるデキャンティングは、ボトルのワインをデキャンタに移し替えることをいいます。その効果と素朴な疑問にお答えします。

デキャンタ、デキャンタージュとは

デキャンタ』はガラス製の容器で、開栓したボトルのワインを移し替えるのに使います。『カラフェ』と呼ばれることもあります。ボトルからデキャンタに移し替える作業のことを『デキャンタージュ』といいます。この作業を行うことでワインにとって良い効果がいくつかあります。

デキャンタージュの効果

デキャンタージュを行う理由は大きく分けて5つあります。

  1. ワインの味が柔らかくなる
  2. ワインの香りが良くなる
  3. ワイン中の澱(オリ)を取り除ける
  4. ボトル内を均一にできる
  5. ワインを小分けにできる

これらの効果はワインにとって良いものばかりですが、一方でデキャンタージュにはデメリットもありますので、一つ一つ解説していこうと思います。まずはメリットを見てみましょう。

ワインの味が柔らかくなる

ワインを空気、主に酸素と触れさせることをエアレーションと言います。開栓したワインをデキャンタに移し替えることで、ボトル内のワインを一気にエアレーションすることができます。空気に触れたワインは、

  • 味わいの広がりやふくよかさが強調されバランスが整う
  • 酸味が穏やかになる(揮発酸の含まれるワインの場合)
  • 渋みが心地よくなる

といった変化が感じられるようになります。

ワインの香りが良くなる

ボトルによっては、本来そのワインが持っている豊かな香りが発揮されない状態になっている場合があります。「香りが閉じている」と表現される原因の一つはワインが還元状態になっていること。エアレーションによって酸素と触れるとこで還元状態から解放されて「香りが開く」ようになります。

ワイン中の澱(オリ)を取り除ける

長く熟成させたワインや、澱を取り除かずに瓶詰めされたワイン(最近ではナチュラルワインに多く見られます)をグラスに注いでいくと、最後の方でボトル内にあった澱がグラスに注がれてしまいます。あらかじめワインボトルを立てておき、上澄みだけをデキャンタに移すことで澱を取り除くことができます。

沈殿しないタイプの澱(ブドウに含まれるケルセチンが固まったものなど)は、キッチンペーパーで濾してデキャンタージュすると、きれいな状態で飲むことができます。

ワインを均一にできる

厳密にいうとボトル内のワインは、瓶口に近いボトル上部と底に近い下部で味わいに違いがあります。不快な香りの成分は上にいきやすいことが多く、底に近いと澱(古いワインの場合)の影響を受けるなどの要因が複雑に絡み合うためです。それを均一化するためにはデキャンタージュが有効です。たとえば貴重なワインを複数人で飲む場合、味わいを均等にする際に用います。

ワインを小分けにできる

主に飲食店でワインを注文する際に「ボトル一本はちょっと多くて、グラスだと少ない」という経験はありませんか?お店によっては小さめの『カラフェ(デキャンタ)』で少量売りしてくれる場合があります。適量のワインを無駄なく注文できてありがたいシステムですね!

どんなワインをデキャンタージュするの?

デキャンタに移すのにおすすめのワインはこのようなワインです。

若いワイン

赤、白、ロゼ、オレンジワインのいずれでも効果が期待できます。

渋みの強い赤ワイン

渋みが柔らかく感じられるようになります。

澱の多い長期熟成ワイン

澱を取除くのに使え、同時に熟成によって閉じている香りが開きます。

香りが閉じているワイン

ワインから立ち上る香りが弱いと感じた場合、デキャンタージュのエアレーション効果によって香りが開き、そのワイン本来の香りが感じられるようになることがあります。

還元的な香りがするワイン

「還元的な香り」は、文字通りワインが酸素を必要とする状態(ワイン中に自然発生する硫黄成分による還元状態)のときに起こります。多くの場合原因は硫化水素で、温泉地で嗅ぐあの香りとなってワインに表れます。エアレーションによって減少します。

デキャンティングのデメリット

「長期熟成」ワインは上級者向け

10~20年、またそれ以上熟成させたワインの澱を取り除くためにはデキャンタージュが有効ですが、急激に空気に触れることで一気に酸化がすすんでしまいます。そのため、せっかく開いた香りが「枯れて」しまうまでの時間は短くなります。古いワインの場合は専用のデキャンタを使い、デキャンタージュ後は時間をかけずに飲むようにしましょう。

「繊細」なワインも上級者向け

香りや味わいが繊細で、その繊細さを楽しむタイプのワイン(例えばピノ・ノワール種など)は、デキャンタージュすることによって香りが失われてしまったり、ストラクチャーが壊れてしまったりすることがあります。経験豊富な方が近くにいない場合や実験的にやってみる目的がなければ避けた方がよいでしょう。

「スパークリングワイン」はNG

発泡性を有するスパークリングワインは炭酸が抜けます。ゲップが出ないように炭酸を抜いたシャンパーニュ(シャンパン)を飲んだという時代もあったようですが、炭酸を抜いた純粋なワインとして楽しみたいという冒険をお望みでなければ、デキャンティングはやめておきましょう。

日常用のワインにデキャンタージュは必要でしょうか?

エアレーションは、ほとんどのワインに有効ですが手間がかかるのがネックです。デキャンタの準備と片付け、と普段からデキャンタージュを行うというのはなかなか難しいのではないでしょうか。ワインを飲むのが億劫になるようのでは元も子もありません。ボトルからそのまま飲んで美味しいワインなら、デキャンタに移す必要はありませんのでご安心を。特別なワインを飲むときには行い、普段はボトルからグラスに注いで楽しむ、くらいで良いと思います。

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エアレーションを行うほかの方法

デキャンタージュをしなくても、エアレーションを手軽にできる方法がありますのでご紹介します。

ポワラーを使う

瓶口にセットしたら、グラスに注ぐだけ。ポワラーの働きで空気との接触が増えるので、手軽にエアレーションしたワインを楽しむことができます。

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グラスの中でワインを回す

グラスに注いだワインをくるくると回すことで、ワインと空気の接触を促すことができる最も簡単な方法です。グラスの中で表情を変えていくワインを嗜む。豊かな時間が過ごせるメリットもあります。

飲み残して、オーバーナイトさせる

手軽で、効果が大きいのでおすすめの方法です。ワインの味が「硬い」と感じたら、ボトル半分程度を飲み残します。ささっていたコルクやスクリューキャップで栓してそのまま放置。翌日にまた飲んでみましょう。時間はかかりますが、一晩空気に触れてワインの香りが開いているということがしばしばあります。温度が高いと空気との反応は早くすすみ、低いと遅くなります。最初は冷蔵庫でオーバーナイトさせるのが無難です。

何故半分程度の飲み残しをおすすめするかというと、ボトル内にある程度の空気がないと反応が進まないからです。このあたりの塩梅は経験が大切です!

ワイン以外のお酒

ワイン、ポートワイン以外のお酒でデキャンタージュが有効なお酒は…、と考えを巡らせてみましたが思い当たるお酒はありませんでした。強いていえばリンゴから造られる『シードル』のようなお酒は、高いところからグラスに注いでエアレーションすることがありますが、デキャンタージュを行うということはなさそうです。

デキャンタの種類と選び方

デキャンタには、大きく分けて若いワイン用、長期熟成させたワイン用の2種類があります

若いワイン用

エアレーションの効果を最大限引き出すためにデザインされたモデルです。ワインと空気が触れる大きな表面積を確保するため、大振りで存在感のある形状をしています。これにより若いワインを開かせ、味をまろやかにしてくれます。

ザ・ジャンシス・ロビンソン ヤングワイン デキャンタ
ザ・ジャンシス・ロビンソン ヤングワイン デキャンタ

エアレーションでワインが開くデザイン

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長期熟成したワイン用

ワインが空気に触れる表面積を制限しながら、沈殿物を取り除けるように設計されています。ワインが空気に触れる量は少なく、熟成によって生じる澱や酒石などの沈殿物を効率的に取り除ける設計。年代物ワインの酸化を最小限に抑えます。

ザ・ジャンシス・ロビンソン オールドワイン デキャンタ
ザ・ジャンシス・ロビンソン オールドワイン デキャンタ

表面積を制限しつつ、沈殿物を取り除ける

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ダブルデキャンタージュ

2回のデキャンタージュを行うことをいいます。必要とされることはほとんどありませんが、一度目のデキャンティングで澱を取り除き、ボトル内差をなくします。デキャンタのワインを少量元のボトル内に戻してゆすぎ、捨てます。最後に漏斗などを使って全量をボトルに戻します。2回空気に触れさせるため、香りが一気に開きます。

オリジナルのボトルから、デキャンティングされた状態のよいワインをサービスしたい場合に使います。

ワインの特性に合わせてデキャンタージュを行い、ワインのある生活をお楽しみください。

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