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イタリア
イタリア トレンティーノ・アルト・アディジェ

カンティーナ・ボルツァーノ

Cantina Bolzano

指導者達は勿論、末端の会員に至るまで高い向上心を持つアルト・アディジェの“優良”協同組合

カンティーナ・ボルツァーノを知らずして、アルト・アディジェを語るべからず

「イタリア屈指の白ワイン産地」と、注目を集めるイタリア北限の産地、アルト・アディジェ。この地にワイナリーを構える、優良ワインメーカー、それが「カンティーナ・ボルツァーノ」です。

この地方の有名なワイナリーは、ほとんどが協同組合。通常は“量”を求めるために協同組合方式がとられるものですが、ここアルト・アディジェでは“質”の向上のためにこの方式を採用。高品質のワイン造りが推し進められ、地域全体のレベルが急速に向上しています。カンティーナ・ボルツァーノはそんなワイナリーの一つです。

 

2001年9月1日に「カンティーナ グリエス」と「カンティーナ サンタ・マッダレーナ」が合併。2つともにボルツァーノの協同組合でした。「サンタ・マッダレーナ・クラッシコ」はサンタ・マッダレーナ醸造所で造られ、主にそれ以外のワインはグリエス醸造所で造られています。

 

彼らが造るワインは全て高品質かつリーズナブル。イタリア国内でも高い評価を得ており、カンティーナ・ボルツァーノを抜きにしてアルト・アディジェのワインを語ることはできません。

協同組合なのに、「成果主義」!

カンティーナ・ボルツァーノでは、「ブドウの質によって報酬の支払額を決める」という、通常「組合」という組織には相容れない、民間的な発想の「成果主義」制度を導入しています。

定期的に世界中のワインと自分達のワインを比較試飲するという「勉強会」を行うなど、組合の指導者から末端の会員に至るまで、彼らの品質への向上心は尽きることがありません。そんな彼らのワインはイタリアワイン専門各誌で、軒並み高評価を獲得しています!

ソーヴィニヨン・ブランを育てて30年、モックの畑をささえるアグロノモ。

標高550mに位置するモックの畑。この畑の管理をしているアグロノモ(畑の管理人)はプレッテル夫妻です。国際品種であるソーヴィニヨン・ブランがまだこの地では注目されていませんでしたが1982年にモックの畑に植えました。当時、ソーヴィニヨン・ブランの苗木は非常に貴重でしたがプレッテル氏の兄がアルト・アディジェのブドウの研究機関で働いていたため少量を分けてもらうことに成功。苗木はロワールから来たもので、当時はソーヴィニヨン・ブランは全く注目されていませんでした。ボルツァーノは寒いため、スキアーヴァと呼ばれる地品種が多く植えられていましたが、試しに50本のソーヴィニヨン・ブラン
の苗木を植えました。冬は雪の降るボルツァーノですが、ブドウの樹は問題なく成長していきました。当時のブドウ樹は今も残っており、樹齢の高いソーヴィニヨン・ブランがモックには使われています。モックの名前は畑の傍にある家の名前から来ておりモック・ホフ(ホフは家、建物の意)と呼ばれています。

クリュ、モックから造られる正統派のソーヴィニヨン・ブラン。

モックのクリュの中でもしっかりと畑での選果を行った品質の高いブドウから造られる正統派のソーヴィニヨン・ブラン。1982年にプレッテル氏がいなければ、このワインは造られることが無かったボルツァーノにとっても大切な1本。ソーヴィニヨン・ブランの特徴である野菜的なニュアンス、花のアロマ、柑橘系のフルーツの香りが繊細に広がります。甘みの感じられるふくよかな果実味と引き締まった酸があり清涼感を一層引き立てています。

ボルツァーノの畑の中で最も標高の高い、650mにあるクリュ、クレインステイン。

ボルツァーノの共同組合員である、マイヤー氏(写真右上)が畑の管理を行っています。
畑の標高は650mと一般的なワイン産地と比べても非常に高く、ボルツァーノが所有する畑で最も標高の高い畑です。斜度がきつく、毎日畑に行くときは坂を上り下りと一苦労ですがこのゲヴュルツのクリュ、クレインステインは、他の比べると2週間ほど収穫も遅く、じっくりとブドウが成熟していきます。畑の名前の由来はクレインステインと呼ばれる家から来ています。ボルツァーノの急斜面に建っていますが写真のようにこの傾斜の上段と下段畑があり、マイヤー氏の一家が住んで家族で畑の管理を行っています。

魅惑の香りがたまならない、「ゲヴュルツトラミネール・クレインステイン」

クレインステインから造られるクリュワイン、「ゲヴュルツトラミネール・クレインステイン」は麦わら色で輝き、透明感があります。ライチ、グレープフルーツ、トロピカルフルーツの香りに加え蜂蜜の香りも漂います。スパイスの香りとほんの僅かですが、残糖感があり魅惑的な味わいです。ワインアドヴォケイト誌でも2012年ヴィンテージが90点を付けるなど、高い評価を受けています。

ボルツァーノの住宅地の中に、ひっそりと佇む、偉大なラグレイン種の畑、「タベール」

北イタリアは白ワインが注目されがちですが、ボルツァーノでは白ワインも、そして赤ワインも素晴らしいものを造っています。その一つがこのラグレイン種の畑、「タベール」です。

ボルツァーノはその美しい景観、自然から近年多くの人が移り住んできました。住宅などが建ち栄えてきましたが、当時の古い畑はどんどん伐採されていきました。古くから植えられていたラグレイン種はボルツァーノを代表する黒ブドウ品種でしたが、今では古木はほとんど目にすることはありません。しかしながら、タベールの畑は所有者がしっかりと残し、アグロノモ(畑の管理人)が丁寧に管理しています。ボルツァーノの財産とも言える、貴重なこの畑ですが、なんと住宅地に囲まれ自宅の門をくぐらなければ入ることが出来ません。時代の流れを想像させてくれる、偉大な畑です。

タベールの畑の入り口 タベールの畑の入り口

「タベール」には昔ながらの栽培方法と古木が残っています

偉大なクリュ「タベール」の名前は元々、畑の傍にある古い家の名前から来ています。この畑は、古くから歯医者さんが土地を所有しているもので、オーナーはボルツァーノの共同組合員の一人です。

樹齢は80年を超すものもあり、昔ながらの伝統的な仕立てで栽培されています。現在はアグロノモ(畑の管理人)のヨセフ氏が専属で付き、10年以上に亘り管理しています。グリーンハーヴェストを行うなど、細かな管理を行っています。一般的な畑は6000本/ha以上の植樹が出来ますがタベールの畑では2000本/ha程しか植えられておらず、樹齢80年を超す巨大な1本の木から10房以下、さらに房自体も小さいため収量は非常に低いです。ボルツァーノの歴史を感じさせてくれるとても貴重な畑です。

アルト・アディジェを代表する赤ワイン、「ラグレイン・リゼルヴァ・タベール」

過去10数回に亘り、ガンベロ・ロッソ誌でトレ・ビッキエ―リを獲得。同誌にて「イタリアの歴史を変えたワイン、50選」にも選ばれるなど注目を集めるワインです。

ステファン氏はこう語ります、「ラグレインは早飲みの、ライトなタイプなワインを想像されがちですが、この古木から造られるワインは味わいが全く異なります。古木のラグレインは、凝縮感、タンニンのスムースさ、それでいて堅牢なボディを持っていて並外れた品質を持つ自身のワインです。」と自信をもってお勧めしています。

生産本数も10,000本程度と少ないため、コレクターの中で取り合いになるほど貴重なワインです。