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世界の造り手から

【過去記事 2021年】今年のノヴェッロ解禁日はいつ?輸入元が教える現地情報

【過去記事 2021年】今年のノヴェッロ解禁日はいつ?輸入元が教える現地情報

現地からの情報をお届け!
こんにちは!ワインの輸入元でイタリアワインの仕入に携わっている田中です。
2021年も『ノヴェッロ』の作柄を現地から取り寄せてご報告します!ブドウが育ってワインとなり日本に届くまでの状況を、数回に分けてお伝えしますのでよろしくお願いします。

ヴィーノ・ノヴェッロとは?

その年に収穫されたブドウを使い、イタリアで各地で造られる個性豊かな新酒ワインのことです!
ヴィーノ(vino)は『ワイン』、ノヴェッロ(novello)は『新しい』。フランスではボージョレ産が有名な「ヌーヴォ」と呼ばれるのと同じカテゴリーになります。

熟成させずに飲むワインの新酒は、果実味が豊かでとても新鮮な味わい、飲みやすい口当たり。日本にも航空便で輸入されるので、秋の解禁と同時に楽しむことができます。

2021年の解禁日

ノヴェッロの解禁日は毎年10月30日です。

毎年この日が解禁と決められています。今年は土曜日で、翌日はハロウィンですのでパーティでノヴェッロを楽しむのもいいかもしれません!
新酒ワインで最も有名な、フランスの『ボージョレ・ヌーヴォ』が解禁されるのは11月18日(木)ですので、ノヴェッロなら一足先に秋の味覚を体験できますね。

『解禁カウントダウン時はご注意を!』


フランス産ヌーヴォの解禁は午前零時。しかし、ノヴェッロの解禁は零時1分なんです! なぜでしょうか?

生産者がワインのラベルに『novello』の記載をするためには、イタリアのワイン協会(UIV)に申請を出す必要があるのですが、この申請期限が『10月30日になるまで』と定められているからです。 申請期限と解禁が重なってしまわないように、申請00分まで、解禁は01分となっているそうです。
「解禁パーティー」でカウントダウンをする場合は注意してくださいね。日付が変わった瞬間が乾杯の合図ではありません。正確な解禁は、 10月30日 0:01  です。お間違いないように。

『2012年に解禁日が変更に』


ノヴェッロの解禁日が現在のように10月30日となったのは2012年からです。

それまでの解禁日は11月6日でした。変更のきっかけになったのはその時施行された新DOP、IGPというワイン法。イタリアの担当行政局(いわゆる農林水産省のようなところ)がそれまでのノヴェッロの取り決めと、新しいワイン法を一律にして単純化させました。 この新法律が2012年8月13日に発効されたのでした。
その年のイタリアでは、解禁が一週間前倒しになったのに気づかなかったワイン生産者が続出。空輸の予約便の都合も手伝って日本への輸入が解禁後にずれ込む、なんていうこともありました。
変更に気づかないなんて、いかにもイタリアらしいのんびりしたエピソードですね。

モトックスが扱っているのはこの2本!

イタリア
イタリア

Castelli del Grevepesa SCA

カステッリ・デル・グレヴェペーザ

Castelli del Grevepesa SCA

イタリア中部トスカーナ州のワイナリー。州特産のサンジョヴェーゼ種100%で造られます。

イタリア
イタリア

Azienda Agricola Conti Zecca

アジィエンダ・アグリコーラ・コンティ・ゼッカ

Azienda Agricola Conti Zecca

プーリア州のワイナリー。南イタリアの地品種ネグロアマーロ種、プリミティーヴォ種をブレンドして造られます。

現地から届いている最新情報

完成!今年のノヴェッロについて/ 出荷直前

グレヴェペーザ(トスカーナ州)
醸造家:ステファノ・モゼル氏

2021年の夏は晴れた日が多く、十分な日照と乾燥した気候によりとても良い状態のブドウが収穫できました。

今年のノヴェッロは醸造の早い段階から素晴らしいワインとなるポテンシャルが見られました。
出来上がったワインは紫がかった美しいルビー色、ラズベリーなどの赤果実を想わせるアロマはフレッシュでありながら濃厚さも持ち合わせています。飲み心地の良いスタイルで口当たりはソフト、心地良い酸とフレッシュ感があり全体的に調和がとれています。

ノヴェッロ2021年は期待していた通り、抜群の出来と感じられるワインになりました!

コンティ・ゼッカ(プーリア州)
左)醸造責任者:アントニオ・ロマーノ氏
右)オーナー:クレメンテ・ゼッカ氏

「醸造責任者のアントニオ・ロマーノです!
2021年を振り返ると今年もブドウ栽培に適した天候となり、非常に素晴らしいクオリティのブドウが収穫できました!
かなりの降雨があったものの、穏やかな気候の冬と春を越すことができました。6~9月にかけては例外的に暑い日もありましたが、サレント地方特有の乾燥と長い日照時間のおかげで健康で完熟したブドウとなりました。収穫量はここ5年ほどの平均的な量でした。

ノヴェッロ2021年は若々しく、色は濃いルビーレッド、輝く紫の色合いもあり豊かなアントシアニンがたっぷり含まれていることを示しています。熟した赤いフルーツのエレガントなアロマやストロベリーやブルーベリーのチャーミングなアロマ、そして花の香りが続きます。
味わいはフレッシュで、酸味と甘くまろやかなタンニンのバランスが心地よく感じられます。

今年も晩秋の訪れに、家族や仲間のみなさんとノヴェッロを片手にお楽しみください!

コンティ・ゼッカのあるプーリア州では、焼き栗、日本の菜の花に似た野菜のチーマ・ディ・ラーパの炒めやパスタなどと合わせてノヴェッロは飲まれているそうです!皆様もぜひ試してみてください!

いよいよ収穫です!気になるブドウの状態は!?/ 9月中旬時点

グレヴェペーザ(トスカーナ州)
8月は気温が高く乾燥が続いていましたが、9月初旬にようやく雨が降りました。少量だったものの、ブドウの酸と糖のバランスを整えてくれる恵みの雨となりました。これにより収穫を控えるブドウにとっては非常に良い環境となり、昼夜の寒暖差は最大で16~18度ほどになる日もありました。

今年は9月10日にノヴェッロに使用するサンジョヴェーゼの収穫が始まり、非常に健康なブドウを収穫することが出来ました。昨年に比べると今年の収量は15-20%ほど減ってしまいましたが、凝縮した良質のブドウとなりました。

次は出来たてのワインについてレポートをお届けする予定です!

コンティ・ゼッカ(プーリア州)
プリミティーヴォの収穫は9月2日から4日にかけて行われ、収穫されたブドウは非常に健全で1粒1粒がしっかりとしており、色の濃さ、サイズ、糖度も申し分ありません。収量も昨年と同量となりました。

9月10日に降った久々の雨により、ネグロアマーロの果実の成熟は完璧なレベルに達しました。
16~19日にかけてネグロアマーロの収穫を行い、ご覧の通り、色づき、肉厚な果皮、凝縮した果肉と見事に完熟したブドウとなりました。

新酒用のブドウは毎年機械収穫と手摘み収穫両方で行っています。機械収穫は日光でブドウが痛まないように早朝の真っ暗なうちからライトを照らしながら行い、日の出前には作業を終えます。手摘み収穫は約30名のベテラン作業員が朝6時から午前11時まで作業を行います。

今年も酸度、糖度、タンニンのバランスがとれ、フレッシュでフルーティ、心地よく豊かな味わいの新酒ができあがると確信しています!

畑は夏を迎えました。ブドウの成長具合は?/ 8月中旬時点

グレヴェペーザ(トスカーナ州)
7、8月を通し目立った降雨はなく、初夏は平均気温が21-23度と例年に比べ比較的冷涼な気温の日が続きました。夏本番に入ると日中の気温は35度まで上がり、例年通りの平均的な気温となりました。

以前のレポートでもお伝えしたように春に霜の被害にあいましたが、局地的だったこともありブドウの房の数は近年の平均と比較してもほとんど差はありませんでした。大きな病害も起こってなく、現在は必要に応じて除葉作業を行っています。

ノヴェッロに使用するサンジョヴェーゼの成長は終盤にさしかかっており、ここから収穫まで安定した天候であることを祈るばかりです!

コンティ・ゼッカ(プーリア州)
8月20日現在、ブドウの完熟に適した素晴らしい天候が続いています。日中の気温は35-36度。例年の平均気温より2度ほど高く、夜は20-21度まで下がります。雨は少なく、とても乾燥しているためブドウの病害もありません。ブドウは濃く色づき、肉厚の果皮、しっかり凝縮した果肉で成熟は順調に進んでいます。

収穫は例年通り、プリミティーヴォは9月第1週目、ネグロアマーロは第2~3週目を予定しています。毎年ベテランの作業員によって収穫を行っています。

2021年、今年もまた大変良い収穫になると確信しています!

2021年第一段!まずは春から今時期までお伝えします/ 7月中旬時点

グレヴェペーザ(トスカーナ州)
4月初旬、顔を出し始めた芽の一部が霜の影響でダメージをうけてしまい、ネガティブな年の幕開けに思われました。
しかし、その後は適量の降雨と、十分な日照量を確保できたこともあり、畑は衛生的な状態に保たれ、ブドウの生育も促されました。
5月末~6月初旬は初夏のような気温の上昇がみられ、昼夜の寒暖差も大きくなりました。(日中24-28℃/夜間14-16℃)

今のところ、2021年は良い出来となりそうです!

コンティ・ゼッカ(プーリア州)
2020~2021年は降雨量が多く霜が降りた日もありましたが、全体的に穏やかな冬となりました。
2~3月にかけての選定作業の時期には、雨の日が減り作業はスムーズに進みました。

4月初めにイタリアの一部で霜被害が発生しましたが、コンティ・ゼッカのあるサレント地方(イタリア半島最東南)では大きな問題にはなりませんでした。
4月末以降天候は回復し、数日遅れていたブドウの生育サイクルも本来のものに戻りました。

6月中の気温は22-23℃で推移していましたが、7月に入り日によっては38-39℃になることもあります。
7月中旬現在、果実は少しずつ大きくなっている状態です。

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