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世界の造り手から

11/20(木)解禁!輸入元が教える『ボジョレーヌーヴォ 2025』

11/20(木)解禁!輸入元が教える『ボジョレーヌーヴォ 2025』

ボージョレヌーヴォ(Beaujolais Nouveau)の生産者から輸入元に入っている作柄情報や、国際情勢による影響など2025年の最新情報をまとめていきます。

2025年の解禁日は11月20日(第3木曜日)

フランスでは新酒の解禁日を、毎年『11月の第三木曜日』と定めています。フランス各地の新酒の中で有名なのがボージョレ産のヌーヴォ(=New:新酒)です。秋の収穫を祝って、近隣の大都市リヨンのビストロなどで飲まるようになりました。やがてパリでも話題となり、一般に流通するようになっていきました。

解禁日は、1951年に粗悪品や醸造の氾濫を防ぐために定められました。幾度か改訂されたのですが、その理由は一説によると11月15日が週末にあたったこと。酒屋さんが週末に営業しなければならず、休日営業を回避するために木曜になったとされています。

ボージョレ・ヌーヴォ(Beaujolais Nouveau)とは

ボージョレはフランスの『ブルゴーニュ地方』の南部に位置する地区の名前です。
ここで収穫したブドウで醸造されるワインに『ボージョレ』の名前がつきます。
ボージョレで収穫されるブドウのほとんどがガメイ種で、軽やかでフルーティーな味わいの赤ワインになります。

『ヌーヴォ』は新酒という意味。
定められた解禁日に間に合うように、ヌーヴォは通常のボージョレとは違う「マセラシオン・カルボニック」という方法で醸造されます。

ヴィラージュ ヌーヴォとは

ボージョレ地区の北部にあるいくつかのコミューン(地方行政上の最小単位)では品質の高いブドウを生産できるため『ヴィラージュ』を付けてワインを販売することが許されています。一般的に良いブドウを使えば良いワインができるためです。全部で38のコミューンがヴィラージュを名乗ることができます。

ヴィエイユ・ヴィーニュとは

(Vieille Vigne / V.V.)

いくつかのヌーヴォには『ヴィエイユ・ヴィーニュ』と書かれたものがあります。

これは樹齢の高いブドウの樹(古木)という意味です。一般的にブドウの樹は樹齢が高いほうが根が地中深くに張り、年齢を重ねるごとにできるブドウの品質が上がります。樹の本数が少なくなり、収穫できる実も減るため希少性が上がります。樹齢何年目からヴィエイユ・ヴィーニュを名乗れるかは決まっていないため表記することはワイン生産者の判断にゆだねられますが、40年くらい以上のものが多いようです。

ブドウ品種は『ガメイ』

ボージョレ地区で栽培されているブドウ品種はほぼすべてが『ガメイ』です。なぜかというと、ボージョレ一帯はガメイの好きな花崗岩質という土壌なのでよく育ち、長いブドウ栽培の歴史をもつボージョレの人たちもそれをよく理解しているからです。ガメイのワインは果実味が豊か。フレッシュでイキイキとした酸味があり、スルスルと喉を滑るような飲み心地です。

ヌーヴォに『白』はある?

あります。でもボージョレ産ではありません。
ボージョレの隣にある『マコン(マコネー)地区』では特産が白ブドウのシャルドネ。ボージョレと同じ解禁日の新酒『マコン・ヴィラージュ ヌーヴォ』は白いヌーヴォとして知られています。

製法は『マセラシオン・カルボニック』

ボージョレ・ヌーヴォとなるガメイ種は、年にもよりますが8月下旬頃に収穫されます。
通常、赤ワインを醸造する際はブドウの果梗を取り除き、破砕してからタンクでゆっくりと醗酵させます。

しかし、ヌーヴォの場合は解禁日に間に合わせるために、ブドウの房まるごとをタンクに投入してそのまま醗酵させるマセラシオン・カルボニックという方法が使われます。醗酵の初期段階で発生する炭酸ガスによってブドウ由来の様々な成分が生成され、通常より短い2,3か月程度でワインになります。

ボージョレ・ヌーヴォは早めに飲むワイン

ヌーヴォのように、マセラシオン・カルボニックで造られたワインはタンニンが少なくさらりとしています。ライト~ミディアムボディの軽やかな味わいが特色です。新鮮なうちに飲むのに適します。熟成させて飲んでも問題はありませんが、美味しくなることははずないでしょう。

覚えておいていただきたいのは、「ボージョレのワインがすべて早飲みに適している」わけではないということです。通常の醸造方法で造られるボジョレーのワインの中には熟成に向いた驚くほど素晴らしいワインがあります。

2025年ボージョレ・ヌーヴォの価格

生産や流通コストが世界的に高騰していることを背景に輸入ワインもほかの品目と同じように価格上昇が続いています。新酒の場合は2022年頃からはその傾向が顕著となりました。背景にどういうことが起こっているのでしょうか?

航空便を使って運ぶこと

日本のワイン輸入業者は、ボージョレ・ヌーヴォを航空機で日本に運びます。輸入ワインは通常コスト面で有利な船便を使い、温度管理のためにリーファーコンテナを使います(世界の地域事情などによって変わります)。ヨーロッパからの船便では輸送に約2~3か月を要しますが、ヌーヴォのように『解禁日』が大切な場合は数日で輸入できる航空便を使う必要があるからです。

それまで新酒を航空便で運ぶ場合、輸送コストは船の5倍程度でした。
ところが2022年以降はウクライナ情勢の影響でヨーロッパから日本へ最短ルートを迂回して航路が長くなり、燃料費の高騰も重なりました。そのため輸送コストは以前の船便に比べて10倍程度になりました。

ワインの出荷価格

世界的なインフレ傾向はワインの商品代金に直結しています。
ワイン生産者は瓶、ラベル、段ボールなどの資材の値上がりによって生産コストに影響されます。これらはワインの価格を押し上げる要素になります。

為替レート

円安の影響もまた、輸入ワインの商品価格に直結する要因です。2025年は、昨年ほどの円安にはなっていませんが、依然として安値圏のレートが続いています。

2025年ボージョレ・ヌーヴォの出来は?

現地の生産者『オジュー社』から届いたボージョレ地区のヴィンテージレポートをお届けいたします。※新着情報は、随時更新予定

7月のレポート

この春は昨年と同様の降雨量でした。「デジャヴュ(既視感)」を覚えるような気候で、過去20年間の平均を上回る雨が降りました。ボジョレーのブドウ畑全体に均等に降ったわけではなく、地域によって差があったため、場所によっては多くの雨に見舞われました。

しかし、5月と6月は昨年よりも好条件で、雨の降らなかった日が昨年より多く、特に開花の終わり頃には日照にも恵まれました。

最後の数週間には嵐があり、ジュリエナスやサンタムール地域では雹(ひょう)が降ったので、収量に影響が出る見込みです。

現在、果房にヴェレゾン(色づき・成熟の始まり)が始まっており、あと3週間ほどで完了する見通しです。ブドウは夏の終わりまで熟していき、特に問題がなければ収穫は8月末に始まる予定です。

すでに収穫の準備に取りかかっており、設備の点検・整備を終え、各醸造所で整理整頓及び清掃を進めています。

オジュー社の生産している銘柄

ボージョレ・ヌーヴォのコンクール

トロフェ・デ・ボージョレ・ヌーヴォ

2001年に創設されたボージョレ・ヌーヴォのための唯一の公式コンクールです。解禁に先立って開催され、毎年ボージョレとボージョレ・ヴィラージュの新酒の中から最も優れたワインを表彰しています。金賞グランプリを最高位に、3つの賞が用意されています。

  1. 金賞グランプリ
  2. 金賞
  3. 銀賞

2年連続で金賞グランプリを獲得している銘柄。

https://www.trophee-beaujolais.com

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ボージョレ生産者で史上初2つ星を獲得!※メイヤール・ヴァン・ド・フランス(旧クラスマン誌)

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