料理を始めたきっかけは写真でした。しかし、続ける理由になったのは家族の存在。
完璧を求めるのではなく、「その日の100点」を積み重ねる。その考え方には、毎日の食卓を無理なく楽しむためのヒントがあります。
2026年4月からモトックス ワインアンバサダーとして活動を始めたウチコックさんに、料理の原点や家族との思い出、そしてこれから広げていきたいワインの楽しみ方について伺いました。
ウチコックさん プロフィール
会社員として働く傍ら、Instagramで「家族専属料理人」として、家庭で作る朝ごはんや日々の食卓を発信。
和食を中心に、どこか懐かしく、見てほっとする料理と写真が多くの共感を集めている。
現在は家族と離れて単身赴任生活を送りながら、週末の朝ごはんや日々の食、酒、キャンプなど、等身大の暮らしを投稿。
2026年4月より、モトックス ワインアンバサダー。
料理の始まりは、「食べたい」よりも「撮りたい」

もともと、料理はまったくしていませんでした。
料理を始めた最初のきっかけは、実は「写真を撮りたい」という気持ちだったんです。
昔からラーメンが好きで、さまざまなブログを見ていた中で、美しく盛りつけられた料理写真に出会いました。写真が好きだったこともあり、「自分もこんな写真を撮ってInstagramに載せたい」と思ったのが始まりです。
ただ、最初は見た目を整えることに精いっぱいで、肝心の味は思うようにいきませんでした。
時間も材料費もかけて作った料理を、妻からは「お金と時間がかかる割に、大したものが出てこない」と一刀両断。さらに知人から言われた「食べておいしくないものは、写真で見てもおいしそうには見えないはず」という言葉が、衝撃的で...(苦笑)
料理を作る目的は、きれいな写真を撮ることではなく、誰かに美味しく食べてもらうこと。そんな当たり前のことに、ようやく気づいたんです。
それからはYouTubeやレシピサイトを参考に、切り方や火の入れ方、味つけといった料理の基本から学び直しました。写真を撮るために始めた料理が、少しずつ「食べるための料理」へと変わっていきました。
その頃、妻も働くようになり、家のことをひとりに任せたくないという思いも強くなっていたので、家族がきちんとおいしく食べられるものを作ろうと。
「家族専属料理人」という肩書きは、以前に別の取材で肩書きを聞かれたときに、とっさに思いついた言葉でした。でも、振り返ってみると、自分が料理を続けてきた理由を一番素直に表している言葉だと思います。
忘れられない、ひと口目の「おいしい」

家族のために料理を作ってきた時間の中で、今でも忘れられない出来事があります。
下の子には、幼い頃、牛乳、卵、小麦の食物アレルギーがありました。成長とともに少しずつ食べられるものが増え、最後に小麦を克服できたとき、「何が食べたい?」と聞いたら、返ってきた答えがナポリタンでした。
そこでナポリタンを作り、ひと口食べた瞬間に「これ、おいしいね」と言ってくれたんです。
そのときの写真は今でも残っていますし、あのときの表情と言葉は、今でも忘れられません。
見た人が、少しだけほっとできる朝ごはん
今、Instagramのフィードで多く投稿しているのは、和食を中心とした朝ごはんです。
以前はいろいろな料理を載せていましたが、3年ほど前から、和食を中心にした今のスタイルに落ち着きました。
大切にしているのは、見た方がどこか懐かしい気持ちになったり、一瞬でも「いいな」と思えたりすること。
すごい料理を見せたいというよりは、見てほっとする食卓を届けたいと思っています。
一方で、ストーリーズにはラーメンや居酒屋、お酒を楽しんでいる様子も載せています。
フィードだけを見ると、丁寧で意識の高い暮らしをしているように見えるかもしれません。でも実際は、こってりしたものもお酒も大好きで(笑)
そのギャップも含めて、「こういう日があってもいいんだ」と共感してもらえたらうれしいですね。
完璧ではなく、「その日の100点」を目指す

毎日の食事で意識しているのは、健康面とバランスです。肉や魚、野菜を偏りなく取り入れ、味つけも濃すぎないようにする。
ただ、毎日きちんとやらなければならないとは考えていません。
100点満点の料理を作ろうとすると、それ自体が負担になり、続かなくなってしまいます。
だから、自分の中では「その日の100点であればいい」と考えています。
忙しい日は、その日に無理なくできることをする。簡単でも、家族が食べられて、少し健康的であれば、それで十分。
完璧を目指すのではなく、その日の自分や家族に合った形を選ぶことが大切だと思っています。
ワインを選ぶのは、ゆっくり過ごしたい日

20年ほど前、地元のバーで赤ワインを飲み、「おいしい」と感じたことが始まりでした。その後、白ワインにも惹かれ、今は白やスパークリングを選ぶことが多いです。
ただ、ワインは毎日の習慣ではありません。だからこそ、ワインは「今日は少しゆっくり過ごしたい」と思う日に選ぶ、日常の中の少し特別な存在になっています。
チーズや生ハム、サラミなど簡単なおつまみを用意して、ワインを主役にして楽しむことが多いです。バーでマスターや常連の方と話しながら飲むワインも好きですね。
ワインは、ひとりで味わう時間にも、誰かと会話を交わす時間にも寄り添ってくれるものだと感じています。
モトックスのワインに感じた、入口の広さ

モトックス ワインアンバサダーになり、これまで以上にワインの産地や品種、料理との相性を調べるようになりました。
モトックスのワインには、ワインを飲み慣れていない方でも構えずに楽しめる親しみやすさがあると感じています。すっと口になじみ、気づけば自然にグラスが進んでいる。そんなワインが多い印象です。
特に印象に残ったのが、イタリア・トスカーナの赤ワイン「クレメンテ VII キアンティ クラッシコ」。
タコスと一緒に楽しみましたが、これまでにいただいた中でも特に好きな一本でした。
これからは、それぞれのワインについて知り、家庭で簡単に作れるおつまみや、和食との組み合わせも試していきたいです。キャンプのような屋外の時間にワインを持ち出す楽しみ方など、ワインのある暮らしの姿をもっと発信していけたらと思っています。
難しく考えず、いつもの食卓にワインを
自分のInstagramを見てくださっている方には、和食や家庭料理が好きな方が多いと思います。その中には、ワインが好きな方もいれば、「ワインは少し難しそう」と感じている方もいるはずです。
アンバサダーとして発信したいのは、専門的な知識がなくても楽しめる、身近なワインの姿です。例えば、いつもの料理に簡単なおつまみを一品加え、その日のワインと一緒に楽しむ。無理をせず、「その日の100点」で食卓を作るという考え方は、ワインにも通じると思います。
「将来は、少人数の食事会から始めて、SNSを見てくださっている方にも参加してもらえるようなイベントに挑戦してみたいです。画面の中で紹介するだけではなく、一本のワインを囲み、その味わいや時間を誰かと共有できたらいいですね」
「その日の一本」から、ワインのある食卓は始まる

打越さんにとって、ワインはまだ、日常の中にある少し特別な存在だといいます。
毎日飲むものではないからこそ、グラスを用意し、ゆっくりと過ごす時間が生まれる。
これからさまざまなワインと出会い、料理との組み合わせを試していく中で、その距離は少しずつ近くなっていくのかもしれません。
毎日の料理と同じように、ワインも完璧に理解する必要はない。
その日の料理に、その日の一本を合わせてみる。
“その日の100点”を楽しむことから、打越さんのワインのある食卓は始まります。



