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ワイングラスの種類と選び方のコツ!ワインがもっと美味しくなる!

ワイングラスの種類と選び方のコツ!ワインがもっと美味しくなる!

ワインを楽しむ上で欠かせないのが、ワイングラスです。しかし、いざワイングラスを選ぼうとすると、「種類が多くてどれを選べばいいのかわからない」「ワインの種類でグラスを変える必要がある?」などわからないことが多いのではないでしょうか?

そこで今回はワイングラスの種類と選び方のポイントをご紹介します。最後におすすめのワイングラスも紹介しますので、グラス選びの参考にしてください。

ワイングラスの部位ごとの名称を知ろう

ワイングラスの各部分には特定の名称があります。以下は、ワイングラスの主要な部分とその名称です。

1. リム(縁)
グラスの一番上の部分で、口が触れる部分です。リムの薄さはワインを飲む際の感触に影響し、繊細なリムはワインの味わいをより豊かに感じさせます。

2. ボウル
グラスの中心部で、ワインが入る容器部分です。ボウルの形状とサイズは、ワインの種類によって異なり、香りや味わいを最大限に引き出すように設計されています。

3. ステム(脚)
ボウルとベースをつなぐ細長い脚の部分で、グラスを持つときに使用します。ステムを持つことで、手の温度がワインに直接伝わるのを防ぎ、ワインの温度を一定に保つことができます。

また、ステムのないグラスをステムレスグラスといいます。

4. フットプレート/ベース
ワイングラスを支える底の部分。グラスの安定性を保ちます。

ワイングラスの素材と違いを知ろう

ワイングラスによく使われる5つの素材について、それぞれの特徴と違いをご紹介します。
素材によってワインの印象や味わいに影響するので参考にしてください。

1.ソーダガラス


最も一般的で広く使われている素材。
メリット: 手頃な価格で入手しやすいので、日常使いに適しています。
デメリット: クリスタルに比べて透明度や輝きは劣ります。

2.クリスタルガラス


ガラスに鉛を加えることで生まれた素材で、高い透明度と輝きがあります。
メリット: 美しい輝きと、薄く作ることができるため優れた口当たりが特徴です。ワインの色、香り、味わいをより豊かに楽しむことができます。
デメリット: 高価で、手入れが繊細。鉛を含むため、環境への負担が懸念されます。

3.無鉛クリスタルガラス


鉛を含まないクリスタルガラスで、従来のクリスタルと同様の透明度と軽さを持ちます。
メリット: クリスタルガラスに劣らない透明度に加え、薄くても割れにくく食器洗浄機で洗える製品が作れます。クリスタルガラスより軽いです。
デメリット: 従来のクリスタルに比べるとやや価格が高め。

4.プラスチック


割れにくく、アウトドアや大規模なイベントでの使用に適しています。
メリット: 非常に軽く、割れにくい。手入れが簡単で、多くの場合、食器洗い機で洗えます。
デメリット: ワインの香りや味わいを引き立てる能力が限られている。耐久性に欠け、時間とともにグラスの色が変わることがあります。

5.トライタン


耐久性に優れた新しいタイプのプラスチック。BPA(人体へ悪影響を及ぼす懸念がある化学物質)フリーで、安全性が高いとされています。
メリット: ガラスのような透明度と軽さを持ちながら、割れにくく耐久性があります。食器洗い機で洗うことができます。
デメリット: クリスタルガラスほどの繊細な味わいや香りを引き立てる能力は劣ります。価格がプラスチック製に比べて高めです。

ワイングラスの素材には主にソーダガラスが使用されていましたが、その後、より透明度が高く美しいクリスタルガラスが人気になりました。クリスタルガラスは、鉛を含むことでその輝きや音の響きが特徴となっています。

しかし、鉛含有の問題から、最近では無鉛クリスタルが使われるようになってきています。無鉛クリスタルは、鉛を含まない素材で作られており、環境への負荷が少ないというメリットがあります。

さらに最近では、プラスチックやトライタンを使用したワイングラスも登場しています。

これらの素材は割れにくく、屋外での使用やカジュアルなシーンでの利用に適しています。特にトライタン製のグラスは、クリスタルガラスに近い透明度と光沢を持ちながら耐久性に優れているため、日常使いからアウトドアシーンとワインの活躍の場を広げてくれました。

その他ワイングラスの特徴による違い

ボウルの形状


ボウルの形状は、ワインの香りや味に大きく影響します。

一般的に赤ワインは、その複雑な香りを楽しむために広い液面の確保できる大きなボウルのグラスがおすすめです。大きなグラスはワインを空気に触れさせるため、香りや味が豊かになります。

一方、白ワインには酸味を楽しむために赤ワイン用より一回り小さくて狭いボウルのグラスがおすすめです。また、スパークリングワインは泡が長持ちするように、細長いボウルのグラスがおすすめです。

グラスの高さ


グラスの高さは、ワインの見た目と使い勝手に影響します。背の高いグラスはエレガントな印象を与えるため、テーブルやカウンターでワインの見栄えがよくなります。

手をひっかけて倒してしまう事故のないように、広いテーブルで使うようにしましょう。

腕を伸ばすことの多い食卓では低いグラスを使いましょう。使う食器や料理の盛り付けの高さともバランスをとって選ぶとよいでしょう。

グラスの厚み


グラスに使われているガラスの厚みは、ワインが口に入って最初に舌のどの部分に当たるのか、という重要な要因に関わっています。

薄いグラスは繊細な口当たりを与えるため自然に口がすぼみます。薄さのおかげでワインは甘味に反応しやすい舌の先端に当たるため、美味しく感じられるようになります。

薄いグラスは割れやすいため、取り扱いに注意が必要です。一方で厚いグラスは割れにくく、カジュアルな使い方に合います。

グラスの重さ


ワイングラスの重さは、持ちやすさやバランス感覚に影響します。重すぎると持ちづらく疲れやすくなります。

また、重さが偏っていると不安定になりやすく、倒れたりこぼれたりする危険性が高まります。

理想的なワイングラスの重さは、個人の好みや手の大きさにもよりますが、約100gから200g程度が目安です。

また、重さはプレート(底部分)とボウル(カップ部分)に分散されていると安定感があります。重さを確かめるには、実際に手に持ってみることが一番です。

製法


ワイングラスの製法には手吹きとマシンメイド、それら組み合わせたものがあります。手吹きは職人がひとつひとつ手作りします。

最も薄く、高機能なグラスに使われる技術です。手作りのため形状に微量なばらつきが生じます。

マシンメイドは形が均一で、手吹き並みの薄い製品も見られるようになってきました。手吹きより安価で手に入ります。ボウル部分のみ手吹きで、脚(ステム)とプレートがマシンメイドのハイブリッド製品もあります。

ワイングラスの種類と特徴

ワイングラスには、たくさんの種類がありますが、ここではポピュラーなワイングラスの種類と、それぞれどんなワインに合うのかをご紹介します。

1. ボルドー型


-特徴-
ボウルが大きく、口がやや狭まっている形状が特徴です。

-適したワイン-
タンニンが豊富でフルボディの赤ワイン、特にボルドー産の赤ワインに適しています。大きなボウルがワインと空気の接触面積を増やし、豊かな香りを引き出します。

2. ブルゴーニュ型


-特徴-
ボウルが広く、底部が丸みを帯びているのが特徴で、口元はボルドー型よりも広がっています。

-適したワイン-
ピノ・ノワールなどのデリケートな香りを持つ赤ワインに適しています。広いボウルが複雑な香りを捉え、口元が広いことで鼻への香りの流れをスムーズにします。

3-1. 万能型


-特徴-
一つのグラスで赤ワイン、白ワイン、ロゼワインを楽しむことができる万能型のデザインです。

-適したワイン-
ワインの種類を問わず、幅広いワインを楽しむことができます。ワイン初心者や、さまざまなワインを楽しみたい方におすすめです。

3-2. キアンティ型、ジンファンデル用、リースリング用(万能型)


-特徴-
細長い形状で、ボウルが比較的狭いです。

-適したワイン-
ライトボディの白ワイン、特にリースリングやソーヴィニヨン・ブラン。このグラスを通じて、フレッシュでフルーティな香りが際立ちます。幅広いワインにオールマイティに使えます。

4.フルート型


-特徴-
細長い形状が特徴で、泡立ちを長持ちさせる設計になっています。

-適したワイン-
シャンパン(シャンパーニュ)のようなスパークリングワインに適しており、泡の細かさと持続性を楽しむことができます。

その他のワイングラス


他にも様々な種類のワイングラスがあります。

●シャルドネ用
-特徴-
中ぐらいの大きさで、ボウルがやや広がり、口が開いている。

-適したワイン-
中重量級の白ワインや軽めの赤ワイン

●樽熟成シャルドネ(モンラッシェ)用
-特徴-
大きくて広いボウルを持ち、口が広がっている。

-適したワイン-
樽で熟成されたフルボディの白ワイン

●ヴィンテージシャンパーニュ用
-特徴-
フルート型よりもやや広いボウルを持ち、口が狭まっている。

-適したワイン-
ヴィンテージシャンパーニュや高品質のスパークリングワイン

●クープ型
-特徴-
浅くて広いボウルを持つ。口が広く、香りが立ちやすい。

-適したワイン-
スパークリングワイン、カクテル

これらのグラスは、ワインの種類やその特性に合わせて選ぶことで、ワインの味わいをより深く楽しむことができます。

赤ワイン用グラスで白ワインを飲むとどうなるか


これだけのグラスがあると、気になりますね。結論から先に言うと全く問題はありません。

例えば高級な白ワインで香りも味わいもふんだんにあるような銘柄であれば、むしろ赤ワイン用のグラスで楽しんだ方がいい場合があります。

ただし、多くの場合白ワインには白ワイン用グラスが適しているといえます。それは「ワインがグラスに負ける」ということで、白ワインの風味が大きなボウルに負けて弱々しくしく感じられてしまうからです。

ワイングラスの選び方のポイント

それぞれの種類や特徴を知った上で、自分に合ったワイングラスを選ぶためにはどのようなポイントがあるか見てみましょう。

1.好きなワインに合わせる


● 赤ワイン用:ボルドー型、ブルゴーニュ型など、フルボディの赤ワインに適したグラス。
● 白ワイン用:リースリング型、シャルドネ型など、フレッシュな白ワインに適したグラス。
● スパークリングワイン用:フルート型、チューリップ型など、泡立ちを楽しむためのグラス。

❶ ステムレスタイプ
カジュアルなシーン向き

❷ 大型の赤ワイン用
ミディアムからフルボディでタンニンの多い赤ワイン向き

❸ アロマをためやすいタイプ
ライトボディの赤ワイン、フルボディの白ワイン、ロゼワイン向き

❹ 赤ワイン用
スパイシーな赤ワインやヴィンテージもののスパークリングワイン、ロゼワイン向き

❺ スパークリングワイン用
スパークリングワイン向き、炭酸ガスを保ちやすい

❻ 白ワイン用
白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワイン向き

❼ デザートワイン用
酒精強化ワインとデザートワイン向き

2.ライフスタイルに合わせる


-予算-
• 初心者の場合は、まずは数千円のグラスから試してみるのがおすすめです。
• ある程度ワインに慣れてきたら、徐々に上質なグラスを揃えていくのも良いでしょう。
• 高級なグラスは、より繊細な香りと味わいを引き出してくれます。

-収納場所-
ワイングラスはガラスが薄くて大きいと壊れやすく、ステムが長いので収納問題がつきものです。
グラスのサイズや形状を考慮し、収納スペースに合ったものを選びましょう。

-口当たり、手触り-
可能なら実際に手に取って、口当たりや手触りを確かめてみましょう。
• 唇に当たる部分が薄く、滑らかなグラスを選ぶと、より美味しくワインを楽しむことができます。
• 重すぎるグラスは、長時間持ち続けるのが難しくなります。

-その他-
• 洗浄方法:食洗機対応のグラスを選ぶと、お手入れが楽になります。
• デザイン:自分の好きなデザインを選ぶことも、ワインを楽しむポイントです。

3.初心者向けのグラス選びのポイント


ワイン初心者の方は、まずは万能型(ユニバーサルグラス)から始めることをおすすめします。

万能型のグラスは、赤ワイン、白ワイン、軽いスパークリングワインまで幅広く対応可能で、ワインの種類を問わず楽しむことができます。

グラス選びに慣れてきたら、好みのワインに合わせた専用のグラスを少しずつ揃えていくのも楽しみの一つです。

おすすめの万能型ワイングラス

これまでワイングラスの選び方や各種グラスの特性について解説してきましたが、全ての要望を満たす万能なグラスをご紹介します。

ジャンシス・ロビンソンワイングラス


このグラスは、世界的に著名なワイン評論家ジャンシス・ロビンソンによって開発されました。赤ワイン、白ワイン、さらにはシャンパーニュまで、あらゆる種類のワインを一つのグラスで楽しむことができる設計になっています。

チューリップ形状のボウル、細身のステム、そして非常に薄いリムが特徴で、ワインの香りと味わいを存分に引き出します。無鉛クリスタルガラスで手吹きされており、耐久性にも優れているため、食器洗浄機での洗浄が可能です。

「ONE GLASS FOR EVERY WINE」というコンセプトのもと、どんなワインにも対応できるこのグラスは、ワイン愛好家や専門家からも高い評価を受けています。

この万能グラス一つで、テーブル上も収納スペースもすっきりと保てます。自分自身への特別なご褒美や、大切な人への贈り物としても最適です。

参考リンク:ジャンシス・ロビンソン ブランドサイト

ワイングラスの有名ブランド

世界中のワイン愛好家から愛される有名ブランド4つと、それぞれのブランドの特徴をご紹介します。

1. リーデル:ワインの個性を引き出す老舗ブランド


リーデルは、オーストリアの老舗グラスメーカーです。ワインの香りや味わいを最大限に引き出すために、ブドウ品種や産地ごとに最適な形状のグラスを開発してきたことで知られています。

ハンドメイドの高級シリーズからマシンメイドのカジュアルシリーズまで、幅広いラインナップがあります。

-特徴-
o 豊富な種類のグラス
o ブドウ品種や産地ごとに最適な形状
o 機能性とデザイン性を兼ね備えたグラス

-代表的なシリーズ -
o ソムリエ
o ヴィノム
o リーデル・ヴェリタス

2. バカラ:気品あふれるクリスタルガラス


グラスブランドのバカラは、250年以上の歴史を持つフランスのクリスタル製品の代名詞です。高い技術と美しいデザインで世界中の人々を魅了しています。

-特徴-
o 繊細なカットワーク
o 華麗なデザイン
o 特別な日のためのグラス

-代表的なシリーズ -
o マッセナ
o アルクール
o ベガ
o ローハン

3. ショット・ツヴィーゼル:機能性と耐久性を兼ね備えたグラス


ショット・ツヴィーゼルは、ドイツ発祥のガラス製品のブランドです。特殊な素材と製法によって、軽くて丈夫なグラスを作っています。機能性とデザイン性を兼ね備えたグラスです。

-特徴 -
o 丈夫で割れにくい
o 洗浄機対応
o デイリーユースに最適

-代表的なシリーズ -
o ディーヴァ
o フィネス

4. 木村硝子店:日本の技術と美意識が光るグラス


木村硝子店は1910年に創業した東京の老舗ガラスメーカーです。自社デザインのグラスを数多く送り出し、飲食店や宿泊施設などのプロに選ばれるガラスメーカーとして高い支持を得ています。

-特徴 -
o 薄くて美しいフォルム
o 口当たりが良い
o 日本の食卓に合うデザイン

-代表的なシリーズ -
o サヴァ
o ピーボ オーソドックス
o ピッコロ シリーズ

参考:マデリン・パケット&ジャスティン・アマック ,The WINE,日本文芸社,2016年./
リーデル公式オンラインショップ/バカラ公式サイト/SCHOTT ZWIESEL(ショット・ツヴィーゼル)公式サイト/zizi STORE

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