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ボジョレー・ヌーヴォーとは?初心者にもわかる特徴や飲み方をやさしく解説

ボジョレー・ヌーヴォーとは?初心者にもわかる特徴や飲み方をやさしく解説

毎年秋になると話題になる「ボージョレ・ヌーヴォ」。

名前は聞いたことがあるけれど、「なんとなく流行りのもののワイン?」くらいのイメージの方も多いのではないでしょうか。

というわけで今回は、ワインの輸入元であるモトックスがボージョレ・ヌーヴォの基本について解説していきます。

ボージョレ・ヌーヴォ(Beaujolais Nouveau)とは

「ボージョレーヌーヴォ(Beaujolais Nouveau)」とは、フランス・ボージョレ地区でその年に収穫されたブドウをから造られる“新酒"の赤ワインです。

「ヌーヴォ(Nouveau)」は、フランス語で"新しい"という意味で、その年のワインをいち早く楽しむために造られる特別なワインを表します。

つまり、ボージョレ・ヌーヴォは”ボージョレ地区で造られた新酒”という意味になります。

解禁日は毎年『11月の第三木曜日』

フランスでは新酒の解禁日を、毎年『11月の第三木曜日』と定めています。

中でも最も有名な新酒がボージョレ産のヌーヴォ(新酒)です。

もともとは、秋の収穫を祝うために、近隣の大都市リヨンのビストロなどで楽しまれていたのが始まり。やがてパリでも話題となり、次第に一般にも広く流通するようになっていきました。

解禁日ができた理由


解禁日は、1951年に粗悪品や醸造の氾濫を防ぐために定められました。

幾度か改訂されたのですが、その理由は一説によると当時解禁日とされた11月15日が週末にあたったこと。

そのため酒屋さんが週末に営業しなければならず、これを回避するために木曜になったとされています。

地域や品種について

地域:フランス・ボージョレ地区


ボージョレー・ヌーヴォは、フランス・ブルゴーニュ地方の南側に位置する「ボージョレ地区」で造られます。

ブルゴーニュは言わずと知れた高級ワインの産地ですが、ボージョレ地区では親しみやすいカジュアルなワインから、本格的な長期熟成タイプまで、多様なワインが生産されています。

ボージョレ地区

ブドウ品種:ガメイ(Gamay)


ボージョレ地区で栽培されているブドウ品種はほぼすべてが『ガメイ』です。

その理由は、ボージョレ一帯が南北約55kmにわたって広がる丘陵地帯で、ガメイ種が好む花崗岩質の土壌に恵まれていること。

長くガメイ栽培の歴史を持つこの地域の人々はその土地の特性を、それはそれは深く理解しています。

ガメイのワインは果実味が豊か。フレッシュでイキイキとした酸味があり、スルスルと喉を滑るような飲み心地です。

製法の違い(マセラシオン・カルボニック)

ボージョレ・ヌーヴォとなるガメイ種は、年にもよりますが8月下旬頃に収穫されます。

通常、赤ワインを醸造する際はブドウの果梗を取り除き、破砕してからタンクでゆっくりと醗酵させます。

しかし、ヌーヴォの場合は解禁日に間に合わせるために、マセラシオン・カルボニックという方法が使われます。

ブドウの房をまるごと二酸化炭素の入ったタンクに投入して醗酵させることで通常より短い数週間程度でワインが出来上がります。

ボージョレ・ヌーヴォの味わい

マセラシオン・カルボニックで造られたワインはタンニンが少なく、口当たりがやわらかいのが特徴です。

ライト~ミディアムボディの軽やかな味わい。若いうちに飲むのに適しています。

熟成させて飲んでも問題はありませんが、美味しくなることは期待できません。

ちなみに、ボージョレが全て早飲みに適しているわけではなく、通常の醸造方法で造られたボージョレの中には、驚くほど長い熟成に向いた素晴らしいワインが存在します。

白のヌーヴォってあるの?

ボージョレ・ヌーヴォは赤ワインですが、ヌーヴォに白ワインはないのでしょうか?

実はあります。

しかしボージョレ産ではありません。

ボージョレ地区の隣にシャルドネの白ワイン産地として知られるマコネ地区があります。

この地区でも、ボージョレと同じく11月の第3木曜日に解禁される白の新酒が造られており、「マコン・ヴィラージュ・ヌーヴォ」という名前で流通しています。

これが「白いヌーヴォ」として知られています。

ボージョレ・ヌーヴォのコンクール

ボージョレ・ヌーヴォにも“公式コンクール”があるのをご存じですか?

『トロフェ・デ・ボージョレ・ヌーヴォ』は2001年に創設されたボージョレ・ヌーヴォのための唯一の公式コンクールです。

解禁日前に開催され、その年の「ボージョレ」と「ボージョレ・ヴィラージュ」の新酒の中から優れたワインが表彰されます。

受賞カテゴリーは以下の通り。
1.金賞グランプリ(最高位)
2.金賞
3.銀賞

こちらの「ボージョレ・ヴィラージュ ヌーヴォ 航空便」は受賞常連の銘柄で、直近2年(2023,4年)は連続で金賞グランプリを獲得しています。

》参考:トロフェ・デ・ボージョレ・ヌーヴォ

ヴィラージュ ヌーヴォとは

ボージョレ・ヌーヴォのラベルをみると『ヴィラージュ(Villages)』と書かれているものがあります。

ヴィラージュ」は、フランス語で「村」を意味し、ワンランク上のヌーヴォをいいます。

ボージョレ地区北部の中でもとくに優れたブドウが育つと認定された38の村(コミューン)で造られるワインのみが名乗ることができます。

ヴィエイユ・ヴィーニュ(Vieille Vigne / V.V.)とは

ヴィラージュと同じくラベルに『ヴィエイユ・ヴィーニュ』と書かれているものがあります。

『ヴィエイユ・ヴィーニュ』とは、樹齢の高い樹(古木)という意味です。

一般的にブドウの樹は樹齢が高いほうが根が地中深くに張り、樹の成熟とともにできるブドウの品質が上がります。

高樹齢の樹は植え替えによって少なくなっていき、収穫できる実も減るため希少性が上がります。

樹齢何年目からヴィエイユ・ヴィーニュを名乗れるかは決まっていないため表記することはワイン生産者の判断にゆだねられています。

つまり、『ヴィエイユ・ヴィーニュ』と書かれたワインは、"樹齢の高いブドウの木から収穫されたブドウを使って造られたワイン"ということです。

いかがでしたか。毎年の気候によって味わいが異なるのが、ボージョレ・ヌーヴォの面白さのひとつ。ぜひ今年は、解禁日に合わせて味わってみてください。

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