マコン・ヴィラージュ(Macon Villages)とは
『マコン・ヴィラージュ』はボージョレの隣にある『マコネ地区』で生産される原産地呼称ワインです。AOCマコン(※)の上級銘柄で、優良な村(Villages)のワインがAOCマコン・ヴィラージュに認定されます。認められるのはシャルドネ種を使った白ワインのみ。赤・ロゼはありません。
※このページではAOCと表記しています。AOPの場合もあります
マコン・ヴィラージュ ヌーヴォとは
AOCマコンの白・ロゼには新酒「ヌーヴォ(Nouveau)」や「プリムール(Primeur)」の表記が可能です。AOCマコン・ヴィラージュの場合は白ワインのみ認められます。
マコンと、マコン・ヴィラージュの違い
マコネ地区(Maconnais)で生産されたワインは、赤・ロゼ・白のどれでも原産地呼称に認められればAOCマコン(Macon)になります。そのうちで最良の村の白のみがAOCマコン・ヴィラージュになります。AOCマコン全89村のうち、ヴィラージュで除外されているのは7村のみ。実質ほぼ全てのマコンの白ワインにヴィラージュが適用されています。
AOC | 対象 | 色 |
---|---|---|
マコン |
89の村 |
赤・ロゼ・白 |
マコン・ヴィラージュ |
優良な82の村 |
白のみ |
マコネ(Maconnais)地区の特徴
マコネ地区はブルゴーニュ地方の最南部に位置しており、産出されるワインの約8割がシャルドネ種の白ワインです。ガメイとピノ・ノワールを使ったロゼ、赤ワインも生産されています。
ボージョレ地区の北となりに位置していますが、その境界は地図に引かれた線よりもあやふやなもので、地区が接するエリアのいくつかの村々ではマコン、ボージョレのどちらかを名乗ることが許されています。
ボージョレ・ヌーヴォに『白』がない理由
ボージョレ地区ではガメイ種の栽培が盛んで白ブドウがほとんど栽培されていないのが理由です。ボージョレの土壌は花崗岩質でガメイの栽培に向きという事情もあります。
その点、隣のマコネ地区は石灰質土壌でシャルドネの栽培に適しており、白ワインの生産が約8割を占めています。新酒の表記が認められているため解禁時に「白いヌーヴォ」として流通します。
フランスでは新酒の解禁(ヌーヴォ)を毎年『11月の第三木曜日』と定めており、ボージョレ地区もマコネ地区も解禁日は同じです。
マコン・ヴィラージュの味
若いうちは軽くて元気がよく魅力的。花や果実のアロマにレモンのニュアンスがあります。とくに新酒(ヌーヴォ)の場合はライトでフレッシュな特徴が顕著です。ヌーヴォではない銘柄の中にはシャルドネらしいアーモンドやヘーゼルナッツのアロマを漂わせる良質なものがみられます。
マコン・ヴィラージュに合う料理
鶏肉や豚肉のように加熱で白くなる肉や海老・貝を使った料理がおすすめです。
鶏ささみのクリーム煮
バターを控えめに仕上げたり、暑い時期であればレモンの風味をきかせたりしてさっぱり爽やかな仕上がりにしましょう。料理の軽いコクと爽やかなマコンワインがよく合います。
ゆで豚肉のサラダ
茹でた豚肉のスライスをサラダにのせ、お好みのドレッシングをかけます。マコンの軽やかさに合わせて豚のスライスは薄めにするのがおすすめです。
海老のカシューナッツ炒め
ワインの酸味をレモンのように見立てて、エスニック味の海老料理と合わせるのもおすすめです。良質なマコン・ヴィラージュに感じるナッツの風味と、料理のアクセントになるカシューナッツを同調させると相性抜群になります。
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参考
シルヴァン・ピティオ&ジャン=シャルル・セルヴァン/地図でみるブルゴーニュワイン改訂新版/早川書房/2016年
一般社団法人日本ソムリエ協会/『日本ソムリエ協会 教本2025』/一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)/2025年
ヒュー・ジョンソン、ジャンシス・ロビンソン/『世界のワイン図鑑 第7版』/ガイアブックス/2014年