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ワインのキホン

ワインとは?初心者にもわかりやすく解説!

ワインとは?初心者にもわかりやすく解説!

ワインとは、ブドウの果実を醗酵させて造られるお酒 です。色や味わい、香りなどはブドウの品種や造られる産地、製法によって変わります。今回はワインの成分や種類など基本的な知識について、初心者の方にもわかりやすく解説します。

ワインとはどんなお酒?

ワインはブドウの果実から造られる お酒です。
ブドウは糖分(ブドウ糖や果糖)を含んでいるため、果汁をそのまま醗酵させます。穀物を原料とする日本酒やビールなどと異なり、原料のデンプンを麹などで糖化させる工程がありません。ブドウの果汁を用いて造る ので、原料に水を使うこともありません。
そのため、収穫したブドウの品質がそのままダイレクトにワインの品質に反映されます。ブドウ品種や栽培された産地が味わいに大きく影響するので、それがワイン名になることが多いです。

数ある果物の中でもブドウは糖分が高め。醗酵 すると充分なアルコールが得られるのでお酒の原料に向いている果物です。ワインのアルコール度数は種類によって異なりますが、一般的には12% 前後です。

あわせて読みたい: 『アルコール度数が高いワインと低いワインの違い』

ワインの成分

ワインの原材料であるブドウは、ミネラル分やカリウム、カルシウムを多く含んでいる果物です。糖分や酸、香りの成分などのバランスがよく、ワインに必要なすべての要素を含んでいます。

ワインの特徴のひとつは「酸味」にあります。酸味のもとになるのはブドウ果実がもっている酸の成分です。ブドウには「酒石酸」「リンゴ酸」「クエン酸」が含まれおり、これらはワインにとって大きな特徴です。それらに加えて、ワインには醗酵によって「コハク酸」「乳酸」「酢酸」といった酸も存在するようになります。
赤ワインに含まれるタンニンは、ワインに複雑さや飲みごたえを感じさせてくれます。赤ワインの酸やタンニンは料理との相性の幅を広げてくれる大事な要素です。

ワインは醸造酒?蒸留酒?

ワインは『醸造酒』に分類されるお酒です。醸造酒とは、原料を酵母によりアルコール醗酵させて完成するお酒のことです。ワインはブドウを原料にして造られ、ブドウの果汁に含まれる糖分を酵母によって醗酵、分解させて、アルコールを得ます。ビールや日本酒が醸造酒の仲間です。

一方『蒸留酒』は、醗酵させて得たアルコールを蒸留して完成するお酒のことを指します。蒸留はアルコール度数を高めたり、不必要な成分を取り除いたりするために行います。醸造酒を熱すると沸点の低いアルコールが最初に蒸発するため、その蒸気を冷やすことで高いアルコール度数の液体ができます。ウォッカやジン、テキーラやウイスキーなどが蒸留酒の代表的な種類です。蒸留することでアルコール度数が高くなり、風味や香りが強化されます。

とても大雑把にいうならば、ワインを蒸留したものがブランデー、日本酒を蒸留すれば米焼酎、ビールを蒸留したものがウイスキー、といったイメージです。

醸造酒と蒸留酒ではアルコール度数の違いが大きく、醸造酒が5~15%ほどに対して蒸留酒は30%~60%と高くなり、なかには90%を超えるものもあります。

あわせて読みたい:ワインのアルコール度数に注目!アルコール度数が高いワインと低いワインの違いとおすすめワイン

ワインの日本での酒税法分類

日本において、ワインは酒税法によって「果実酒」に分類されています。これはワインがブドウ(果実)から造られる醸造酒だからです。日本の酒税法で果実酒は「果実又は果実及び水を原料として醗酵させたもの」とされています。このため、ワインも果実酒の一種として分類されます。

一方で、他の国では、ワインはワインとして単独のカテゴリーとして扱われることが一般的です。

参考:日本関税協会

ワインの種類

一概にワインと言ってもいくつかの種類があります。
どのような種類に分けられるのでしょうか?おおまかに分けると以下の3つになります。

1)色による分類


まずは見た目から。色による分け方です。
赤、白、ロゼ、最近注目の集まっているオレンジ色が代表的です。黒ブドウが赤とロゼワインになり、白ブドウが白、オレンジワインになります。

あわせて読みたい:色でみるワインの種類

2)醸造による分類


次は醸造による違いです。醸造の過程で添加していたり、発泡させるかさせないか等、醸造の違いによって分けられます。
① スティルワイン:発泡していない、いわゆるふつうの「ワイン」
② スパークリングワイン:シャンパン(シャンパーニュ)のように発泡しているワイン
③ フォーティファイドワイン:シェリー酒など醸造工程中に強めのアルコールを添加したワイン
④ フレーヴァードワイン:ヴェルモットなど、ハーブや果物を加えたワイン

3)品質による分類


最後は品質の違いです。ワインを、品質によって大きく2つに分けるとすると「ヴィンテージ」の有無で分けることができます。

① 日常消費用のワイン:
生産量が多くて原産地やヴィンテージ表記がない、お買い得なワインです。日本では紙やペットの大きな容器で売られているのが見られます。

② ブドウ品種や産地などが指定された優良ワイン:
生産国ごとに定められた原産地呼称制度などのルールに従い一定の基準を満たしており、ヴィンテージや生産地域の記載条件をクリアしているワインのことです。

ワイナリーとは?ワインの生産者

ワインを造る醸造所を「ワイナリー」と呼びます。同じ醸造酒でも日本酒を造るなら酒蔵、ビールであればブルワリーと呼ばれていますが、醸造施設だけの呼び方ではなく、ブドウを栽培する畑を含めてワイナリーと呼ぶ場合もあります。

ワイナリーは、ワイン生産に必要な機材や設備を備えており、一般的には、ブドウの収穫から醸造、熟成、瓶詰めまでの全工程を行います。ワインの品質は、ブドウの品質、醸造方法、熟成期間などによって決まります。また、ワイナリーの管理や技術力も品質に影響を与えます。

ワイナリーは自社で栽培したブドウを使用する場合と、外部からブドウを購入して生産する場合(買いブドウ)、その両方の場合があります。

ワイナリーは、ワインの生産だけに留まらず、観光スポットとしても人気があります。 ワイナリーによっては、ワイナリーツアーやワインテイスティングなどのイベントを開催しており、ワイン愛好家や観光客に人気があります。

各国・地域によるワイナリーの呼び方

ヨーロッパでは国ごとにワイナリーの呼び方が異なります。フランスでは、醸造所を形態により『シャトー』『ドメーヌ』『メゾン』などと呼び、イタリアでは『カーサ』『テヌータ』『ファットリア』『カンティーナ』など、スペインでは『ボデガ』などと呼ばれます。これらは、それぞれの国のワインの歴史や文化に根ざした言葉です。

各国のワイナリーの呼び方は以下の通りです。

•フランス:
シャトー(Château)、ドメーヌ(Domaine)、メゾン(Maison)、カーヴ(Cave)

•イタリア:
カンティーナ(Cantina)、ファットリア(Fattoria)、カーサ(Casa)、アジィエンダ・アグリコーラ(Azienda Agricola)、テヌータ(Tenuta)、ポッジョ(Poggio)

•スペイン:ボデガ(Bodega)、ビニェードス(Viñedos)、ビーニャ(Vina)

•ドイツ:ヴァイングート(Weingut)

•英語圏(アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド):ワイナリー(Winery)、ヴィンヤード(Vineyard)、エステート(Estate)

国や地域によって呼び方が異なる場合があります。

あわせて読みたい:ドメーヌ(Domaine)とは?シャトー(Chateau)との違いは?

ワインの価格は何で決まる?

「高級ワインはなんで値段が高いのか?」そんな疑問をもっている方は多いと思います。
1000円以下で買えるお手頃価格のものから、目が飛び出るほどの高額まで、ワインの価格はバリエーション豊かです。
ワインの価格はどういった理由で決まっているのか、それを紐解いてみましょう。

理由①:生産地


特定の生産地でしかその名前が名乗れないといったワインがあります。特に有名なのは「シャンパーニュ」です。フランスのシャンパーニュ地方で造られたものしか「シャンパーニュ」は名乗れません。そういった「原産地呼称制度」に守られたワインは希少性が高く、値段が高い傾向にあります。

理由②:品種


育てるのが難しい品種があります。その代表格がピノ・ノワールです。病気に弱く、暑い地域で育ちにくい繊細な品種です。その難しさから少量生産とならざるを得ない品種は価格が高くなります。

理由③:ブドウの収穫量


ワインの原料となるブドウの収穫量で価格が変わります。同じ面積でブドウを栽培した場合、収穫量が低い畑と多い畑を比べると、低い方がブドウの単価が上がってしまいます。
植えているブドウの樹を減らすことや果実を間引くことがブドウの質を高めるため、あえて収穫量を低くする場合があります。原材料の価格差がそのままワインの価格に反映します。

理由④:栽培方法


栽培方法はかけるコストによってワインの価格に反映します。
例えば有機栽培や、手摘みでの収穫など、多くの手間が発生します。収穫時期に臨時でスタッフを雇うことがありますが、最適な熟度まで待って収穫する場合、それまでの臨時スタッフにかかるコストも価格に影響が出る原因となります。

理由⑤:ヴィンテージ


ヴィンテージとは、ブドウが収穫された年のことで、ワインの味わいや品質に影響を与えます。特に優良な年のワインは高価になります。

理由⑥:醸造方法


味わいがしっかりとした白ワインや、まろやかな赤ワインの醸造方法として、オーク樽を使用します。ブドウの品質が高いほど長く熟成させたり、新しい樽を使用したりすることで、風味がよくなり、ワインの質が上がります。
この時の樽の使用期間、樽の価格、必要となる樽の数、衛生管理などでコストが変わります。

理由⑦:地価・人件費


国や地域によって土地の価格や人件費は異なります。
ワインの銘醸地であるブルゴーニュでは、年々地価の高騰が続いており、新しく畑を購入するにはものすごい金額が必要になるそうです。また、代々続く生産者でも相続税が払えなくなり、畑を手放す事態もあるのだとか。

理由⑧:プレミア度


ワインが高騰する一番の要因はワインにおける「プレミア度」です。
有名なワイン評価紙による高評価や、伝統的な権威、メディア露出などにより人気が高騰すると、価格の値上がりにつながります。生産量が増やせない場合、希少性はより一層高くなり、価格に反映されていきます。
「ロマネ・コンティ」や「オーパス・ワン」、メドック格付け一級シャトーのワインなどの超プレミアワインになると、転売によって価格がさらに吊り上がるため、ヨーロッパでは投資対象にワインが選ばれるほどです。

ワインは、品種や製法、地域、熟成年数などによって多様な種類があり、それぞれの個性が楽しめます。ぜひ、様々な種類のワインを試して、自分に合ったワインを見つけてみてください。

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