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スパークリングワインの基本 種類や製法・選び方までやさしく解説

スパークリングワインの基本 種類や製法・選び方までやさしく解説

スパークリングワインの基礎を徹底解説!色・甘辛度・製法・開け方・シャンパンとの違いまで、初心者にもわかりやすく紹介。スパークリングワインに迷ったらまずチェックしてみよう。

スパークリングワインとは

「スパークリングワイン」とは、一言でいうと、発泡性をもったワインの総称です。

ワインのうち泡の出ないものを「スティルワイン」、炭酸を含んだ発泡性ワインのことを『スパークリングワイン』と言います。スパークリングワインの中には有名な『シャンパン』も含まれます。

シュワシュワしているワイン=「スパークリングワイン」と覚えてもらって問題ありません。

スパークリングワインの色

スパークリングワインは「白」がもっとも多いですが、「ロゼ」や「赤」も存在します。

色ごとに味わいや印象が異なり、合わせる料理にも違いがあります。

白のスパークリングワイン


最も定番で、種類も豊富。

一般的にはすっきりとした味わいが特徴です。

果実味や酸味のバランスが良く、泡も繊細。

爽やかで飲みやすいため、初心者におすすめです。

ロゼのスパークリングワイン


華やかなピンク色が印象的で、見た目も楽しめます。

白と同じように、フルーティで繊細な味わい。

辛口〜甘口まで幅があり、選びやすいのも魅力です。

パーティーやギフトにも人気があります。

赤のスパークリングワイン


赤ワインのようなコクと、泡の軽やかさを両立。

渋みの少ない味わいで、ハムのような軽い肉食材との相性が抜群です。

甘口タイプもあり、デザートワインとしても使えます。

》ランブルスコのスペシャルサイト

スパークリングワインのアルコール度数

スパークリングワインの一般的なアルコール度数は11〜13%程度です。

ただし銘柄によって幅があり、低いものでは3%程度のものがあります。

スパークリングワインの「甘口」「辛口」

スパークリングワインには、甘いものから辛口まで、さまざまな「甘辛度(あまからど)」があります。

ワイン初心者の方が迷いやすいポイントでもありますが、実はラベルに書かれた表記を見ると、甘さの度合いがわかります。

ラベル表記でわかる!甘辛度の見分け方


辛口~やや辛口

表記 読み 意味
Brut ブリュット 辛口の、自然のままの フランス
Dry ドライ (酒が)辛口の フランス
Sec セック 辛口の、乾燥した フランス
Trocken トロッケン 辛口の、乾燥した ドイツ
Secco セッコ 辛口の、乾燥した イタリア
Asciutto アシュット 辛口の、乾燥した イタリア
Seco セコ 辛口の、乾燥した スペイン

※辛口表記の頭にDemi~、Semi~、Halb~(半分の、完全ではない、準~)がついた場合は辛口度合いが低くなり、「やや甘口」になります。Demi-Sec、Semi Seccoなど。
※Extra~(とびきりの、過剰な)がついた場合は辛口度合いがより高まります。

やや甘口~甘口

表記 読み 意味
Doux ドゥー 甘口の、甘美な フランス
Abboccato アッボッカート 薄甘口の イタリア
Dolce ドルチェ 甘口の、やさしい イタリア
Mild ミルト 口当たりの柔らかな ドイツ
Dulce ドゥルセ 甘い、甘美な スペイン

ラベルの読み方はこちらをチェック

もっと詳しく 残糖量でわかるスパークリングワインの甘辛度


ワインはブドウの糖分を醗酵させてアルコールを造ります。醗酵の過程で糖分が減っていくため、最終的な仕上がり品に含まれる糖を『残糖』と言います。

スパークリングワインは、辛口であっても瓶詰めの際にリキュールを加えて甘味を調整してから出荷されますから、ワインに含まれていた糖分とリキュールを添加することで増えた糖分を合わせたものが残糖量になります。

リキュールのレシピは多くのワイナリーで企業秘密。「門外不出」となる傾向が高いです。

辛口

表記 読み フランス イタリア ドイツ スペイン 残糖量
Brut Nature ブリュット・ナチュール *1 3g/L未満 *2
Pas Dose パ・ドゼ
Dosage Zero ドザージュ・ゼロ
Naturherb ナトゥアヘルプ
Extra Brut エクストラ・ブリュット *3 0~6g/L
Brut ブリュット *3 12g/L未満

*1 イタリア語「ナトューレ」、ドイツ語「ナトゥア」、スペイン語「ナトゥーレ」
*2 リキュール添加(ドザージュ)不可
*3 イタリア語、ドイツ語「ブルット」

辛口~やや辛口

表記 読み フランス イタリア ドイツ スペイン 残糖量
Extra Dry エクストラ・ドライ 12~17g/L
Extra Trocken エクストラ・トロッケン
Extra Seco エクストラ・セコ
Sec セック 17~32g/L
Secco(Dry) セッコ
Asciutto アシュット
Trocken トロッケン
Seco セコ

やや甘口~甘口

表記 読み フランス イタリア ドイツ スペイン 残糖量
Demi-Sec ドゥミ・セック 32~50g/L
Semi Secco セミ・セッコ
Abboccato アッボッカート
Halbtrocken ハルプトロッケン
Semi Seco セミ・セコ

甘口

表記 読み フランス イタリア ドイツ スペイン 残糖量
Doux ドゥー 50g/L超
Dolce ドルチェ
Mild ミルト
Dulce ドゥルセ

その他、やや甘口~甘口の代表的なスパークリングワイン

Asti(アスティ)※Asti Seccoは辛口~やや辛口
Nectar(ネクター)※シャンパーニュ地方の慣習的な甘口の名称

参考までに、甘口をボトル1本(50g/L)飲んだ場合に摂取する砂糖の量は、500mlのペットボトルジュースと同じくらい。代表的な辛口(Brut)だとその1/5程度です。

あなたが飲みたいのはどっち?


甘口・辛口がわかったところで、「じゃあ私はどれを選べばいいの?」と迷う方も多いはず。

そんなときに役立つ、シーンや好みに合わせた選び方の簡単なリストをご紹介します。

辛口が合う方

 ・食中酒として楽しみたい方
 ・ビールやハイボールなど、普段から辛口のお酒を召し上がっている方
 ・すっきり爽快さがほしいとき

甘口が合う方

 ・食後酒やデザートとして楽しみたい方
 ・カクテル・チューハイなど、普段から甘いお酒がお好きな方
 ・はじめてお酒やワインを飲まれる方

スパークリングワインの造り方

スパークリングワインの製法は、5種類あります。

製造方法によって、価格・泡のきめ細かさ・味わいが大きく変わります。

瓶内二次醗酵(トラディショナル方式)


味の複雑さと泡立ち、きめ細かさが特徴。一方で生産コストと手間がかかります。

シャルマ方式


二次醗酵を大型のタンクで行うため効率的な方法。泡立ちなどは瓶内二次醗酵に及びにくいものの、造り手によってはかなりそれに近づきます。

炭酸ガス注入方式


二次醗酵は行わず、加圧タンクで炭酸ガスをワインに吹き入れる方式。機械の発達により省コスト・省工程でよい泡を造り出せるようになってきており、注目を集める方法です。

トランスファー方式


瓶内二次醗酵をした後、タンクに中身を移してろ過し、別の瓶に詰めなおす方式です。

「瓶内方式のコク」と「量産の効率」を両立した中間的製法です。

瓶内熟成の複雑さを持ちつつ、コストはやや抑えられます。

炭酸ガス注入方式


ワインに直接、炭酸ガスを注入して泡を加える方式です。

最もシンプルで、短時間で製造できるため、価格が非常に安く抑えられます。

ただし、泡が粗く、持続力も弱めです。

メトード・リュラル(田舎方式)


一次醗酵の途中で瓶詰めし、そのまま醗酵を続けて泡を閉じ込める方式です。

自然な泡立ちで、やや濁りがあるのが特徴です。

酵母やオリが残っていることが多く、ナチュラル志向のワインに多い製法です。

製法だけにフォーカスすれば瓶内二次醗酵が最もよいワインのできる方法ですが、手間とコストがかかる分ブドウの値段を抑えたり熟成期間を短くするなどの工夫が必要になります。

国で異なるスパークリングワインの呼び方

スパークリングワインは、国ごとに呼び方が異なるのをご存じでしょうか。

ここでは、代表銘柄や呼び方を国別にご紹介します。

国名 スパークリングワイン
フランス ヴァン・ムスー(Vin Mousseux)
クレマン(Cremant)
シャンパーニュ(Champagne)
イタリア スプマンテ(Spumante)
プロセッコ(Prosecco)
フランチャコルタ(Franciacorta)
ドイツ シャウムヴァイン(Schaumwein)
ゼクト(Sekt)
スペイン エスプモーソ(Espumoso)
カヴァ(Cava)

フランス/ヴァン・ムスー、クレマン、シャンパーニュ


ヴァン・ムスー

ヴァン・ムスーは、フランス産スパークリングワインの呼び方です。
”ヴァン”はワイン、”ムスー”は泡の意味。
つまり、「泡のあるワイン」となります。

フランス国内の産地に指定はなく、製法もさまざまな方法が用いられます。

クレマン

少し本格派なのが 「クレマン」。

こちらは、瓶内二次醗酵方式で造られ、どこで造られたかという「産地表示」も明記されています。

シャンパーニュ

最後は、「シャンパーニュ」。
フランス北部のシャンパーニュ地方で造られたスパークリングワインだけが、「シャンパーニュ(シャンパン)」と名乗ることが許されています。

イタリア/スプマンテ、プロセッコ、フランチャコルタ


スプマンテ

イタリア産スパークリングワインの呼び方。
フランスと同様、イタリア国内で様々な製法・産地で生産が可能です。

プロセッコ

イタリアの有名なスパークリングワインには個別に産地や製法の規定があります。例えば「プロセッコ」は主にグレーラ種を使い、大半がシャルマ方式で造られています。

フランチャコルタ

フランチャコルタは瓶内二次醗酵で造られ、シャンパンと同じ製法・品種が用いられています。

スペイン/エスプモーソ、カヴァ


スペインでスパークリングワインは「エスプモーソ」と呼ばれます。

中でも、最も有名な銘柄が瓶内二次醗酵で生産されるカヴァ(カバ)。
スペイン各地に4つの生産地がありますが、95%がカタルーニャ産です。

ドイツ/シャウムヴァイン、ゼクト


ドイツではスパークリングワインを「シャウムヴァイン」や「ゼクト」と呼んでいます。
それぞれに細かい規定が決められており、スパークリングワインの分類が複雑です。

シャンパン(シャンパーニュ)とスパークリングワインの違い

「シャンパン」はフランスのシャンパーニュ地方で造られたスパークリングワインのことです。

シャンパーニュ地方でスパークリングワインを製造するには厳しい規定を満たす必要があり、これを守って造られたものだけが『シャンパン(シャンパーニュ)』として販売されます。

スパークリングワインの正しい開け方

スパークリングワインを開栓するためにはオープナーは必要ありません。コルクにかかっている針金(ミュズレ)を外して、ボトルを回してコルクを開けます。

上手に開けるためのコツは下記の4つです。

 ①ボトルを振ったり強い振動を与えない
 ②開栓する前によく冷やしておく
 ③安全に開けるために、『ふきん』を使って開栓する
 ④コルクを引っ張らず、ボトルを回して開ける

詳しくはコチラ

スパークリングワインに合うグラス

スパークリングワインは、泡立ちや香りを楽しむために、細長い形状のフルート型やチューリップ型のグラスがおすすめです。

10月第4金曜日はシャンパーニュ・デー

毎年10月の第4金曜日は、シャンパーニュ委員会(Comité Champagne)が制定した「シャンパーニュ・デー」。

カリフォルニア在住のブロガーでワイン講師のクリス・オゲンフュスの発案により始まり、いまでは世界中でシャンパーニュ愛好家が一斉に乾杯する国際的なイベントとなりました。

レストランやバーでは特別なテイスティングやペアリング企画が行われ、SNS上では「#ChampagneDay」のハッシュタグで盛り上がります。

おすすめのスパークリングワイン

最後におすすめスパークリングワインをご紹介します。

参考文献
一般社団法人日本ソムリエ協会/『日本ソムリエ協会 教本2018』/一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)/2018年

シャンパーニュデー/シャンパーニュ公式サイト/2025年10月27日

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