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ワインのキホン

『カヴァ(CAVA)』の魅力。 スペインから届く、手頃で豊かな味わいのスパークリングワイン

『カヴァ(CAVA)』の魅力。 スペインから届く、手頃で豊かな味わいのスパークリングワイン

スペイン産スパークリングワイン、カヴァの秘密を解き明かしましょう。手頃な価格でありながら、その製造法、歴史、そしてどのようにして豊かな味わいを実現しているのかを探ります。特別な日の乾杯にも、日常の楽しみにもぴったりなカヴァで、心に残る瞬間を。

「カヴァ」とは

世界を代表するスペイン産の高品質なスパークリングワインです。「スペインのシャンパン」ともいえる銘柄で、スペイン国内の各地で生産が認められています。実際は95%がカタルーニャ州産。なかでも『ペネデス』の中心地とその周辺の肥沃なエリアが大部分を供給しています。

年間の生産量が約2億8700万本以上(2018/2019年頃のデータ、フルボトル換算)もあり、フランスの「シャンパーニュ(シャンパン)」、イタリアの「プロセッコ」と3大スパークリングワインのひとつに数えられます。

CAVA(以後カバ)は、カタルーニャの言葉でワインを熟成させるための「洞窟」を意味する言葉から名付けられました。

カバの生まれた背景

ペネデス出身のワイン生産者ホセ・ラベントスがフランスに渡り、歴史あるシャンパーニュで学んだ技術と醸造機器を故郷に持ち帰ったことからはじまりました。ペネデス地方固有のブドウを使い、シャンパーニュの技術を応用してスパークリングワインを造り、1872年にはじめてカバが誕生しました。

カバの味わい

辛口の銘柄が大半を占めます。最もカバが造られているペネデス地方は日照量が豊富なため、ブドウの酸度が適度に抑えられてすっきりした味わいになります。きめ細かい炭酸ではつらつとした飲み口。シンプルな風味で「あまりハズれがない」のがカバのよいところです。

カバには甘口の銘柄もあります。辛口は食前や食中に、甘口はデザートに合わせて楽しむのがおすすめです。気軽に楽しめる価格のものが多いので、様々な種類を試して自分好みの銘柄を探してみましょう。

シャンパーニュ(シャンパン)と同じ製法

カバの製法は「瓶内二次醗酵」で、お手本になった「シャンパーニュ」とおなじです。具体的に「製法」というのは、ワインに炭酸を発生させる方式のことを指しています。炭酸のないベースとなるワインに炭酸ガスを入れるには大きく3つのやり方があります。

瓶内二次醗酵…ベースワインのボトル内に糖と酵母を入れて二次醗酵を起こし、炭酸を発生させる。
シャルマ…二次醗酵を大型タンクで行う効率的な方法。
炭酸ガス注入方式…二次醗酵を行わず加圧タンクで炭酸ガスをワインに溶かす。

瓶内二次醗酵はコストと手間がかかりますが、味の複雑さや細かな炭酸が特徴です。

シャンパーニュとの違いは?なぜ安いのか。

カバとシャンパーニュは同じ製法ですが、産地の気候、使われるブドウ品種、収穫方法や熟成期間などには違いがあります。

内陸地のシャンパーニュと違いペネデスは海洋性の温暖な気候で肥沃です。そのためブドウは安定して育ってくれます。カバに使われる主力のブドウ品種は比較的病気に強く豊産です。収穫の作業は必ずしも手作業でなくてよく、醸造工程も機械によって合理化されることが多くみられます。定められている最低熟成期間もシャンパーニュに比べて短めになっています。

価格

シャンパーニュと同じ製法でありながら驚くほどリーズナブルでコストパフォーマンスが高いのはカバの最も大きな魅力の一つです。
1,000円前後で入手できる銘柄があり、普段の食卓で気兼ねなく楽しむことができるのはうれしいところ。「ちょっと良いカバ」を飲んでみたいというときにはこだわりの銘柄を探すとよいです。現在のカバは進化していて、よりコストをかけた高品質な銘柄も造られるようになってきています。

おすすめ銘柄と「選び方」

記載しているスペックは、変更になる場合がございます。

リーズナブルさで選ぶ

モトックスで輸入しているカバでは最もリーズナブルな銘柄です。気軽に楽しむのにおすすめです。熟成期間は9~12か月。

オーガニックで選ぶ

オーガニック栽培されたブドウから造られています。熟成期間は少し長めの12~15か月。

熟成期間の長さで選ぶ

日本での発売は1996年というロングセラー銘柄です。18~24か月の熟成をかけていて、オーガニックで生産されています。

甘口を選ぶ

ロングセラー「モンサラ」のやや甘口銘柄です。オーガニックで造られていて、甘すぎないので食中でも食後のおやつにも。初心者の方にもおすすめです。

産地で選ぶ

カバの大半を造るのはカタルーニャ州ですが、こちらはお隣バレンシア州産です。柑橘系の味わいが特徴で、熟成期間は9か月。

ブドウ品種で選ぶ

この銘柄もバレンシア州産で、特徴的なのはマカベオ100%で造られているところ。こちらも柑橘系の味わいが特徴で、熟成期間は9か月です。

歴史の長さで選ぶ

世界ではじめてカバが誕生した10年後、1882年設立のワイナリーです。それ以来16世紀の修道院にルーツがある醸造所でカバに情熱を捧げてきました。熟成期間は12~15か月。

品質で選ぶ

リーズナブルさが魅力のカバにあって、価格と品質の両方を追求した銘柄。なんと手摘み収穫一番搾汁のみを使ったぜいたく仕様。熟成も18~24か月と長め。

高級品を選ぶ

小規模な生産者のこだわり品。畑の最良区画を厳選して収穫したブドウを使い、42か月もの長期熟成させたカバ。しかも第一搾汁のみを使用。

ロゼを選ぶ

カバにはシャンパーニュと同じように『ロゼ』の銘柄もあります。
色合いはかわいらしいですが、白同様に中身は多くは辛口になっています。

熟成期間9か月。フレッシュで美しい色合い。

熟成期間15か月。

熟成期間12~18か月。オレンジがかった深みのある色合い。

カバに合う料理

爽やかな味わいのカバは様々な料理に合わせやすい特徴があります。でも、もしどんな料理を合わせたらよいか迷っている場合には、カタルーニャの料理を参考にしてみてはいかがでしょうか。

サルスエラ

たっぷりの魚介類を鍋に入れて白ワイン、トマトとガーリック、オニオンなどの香味野菜で煮た料理です。

パン・コン・トマテ

パンにトマトを塗ってオリーブオイルをかけるだけのお手軽さ。でも立派なカバのおつまみになります。

エスカリバーダ

シンプルな焼き野菜の料理です。バットに野菜をのせてオリーブオイルと塩をかけ、魚焼きグリルに放り込むだけでも簡易的に再現できておすすめですよ。

フィデウワ

パエリアのお米をパスタに変えて作るご馳走。カバは炭酸の入ったお酒ですから、フリットや天ぷらのような揚げ物料理とも相性抜群です。ご参考に。

ブドウ品種の紹介

カバの生産に使われるのは、5種類の白ブドウと4種類の黒ブドウです。白ブドウから順にご紹介します。

マカベオ

(Macabeo)

リオハでは「ビウラ」と呼ばれています。カバにおいてはブレンドの中心となる品種でカバを名乗ることができるエリア(カバDO)内で最大の栽培面積があります。バランスのとれた酸のフレッシュでフルーティなワインになります。発芽が遅いため春の霜害をあまり受けません。べと病に比較的かかりにくく豊産な特徴があります。

シャレロ

(Xarello)

カタルーニャ原産の品種です。糖度が高くボディがあり酸味も強めです。風味が豊かなためフレーバーのあるワインになります。標高の低いところが栽培適地で灰色カビ病に耐性があり豊産です。DO内の栽培面積は2番目。

パレリャダ

(Parellada)

栽培面積はDOカバで3番目の大きさです。比較的ニュートラルでフレッシュ、フルーティで上質なワインになります。カバにはつらつとした個性を与えます。非常に豊産性ですが、収量を抑えることで花やリンゴのようなアロマが表れます。

シャルドネとマルヴァジーア

シャルドネはフランスのシャンパーニュ地方で使われるブドウ品種で、カバでの使用は1986年に認可されました。古い資料ではその生産面積は5%ほどです。「マルヴァジーア」と呼ばれている「Subirat Parent」も使用が許可されているブドウで、甘口の銘柄に使われることが多めです。「Subirat Parent」はエストレマドゥーラ州由来の古いブドウ品種ALARIJEの別名です。ALARIJEはシェリー酒に使われるペドロ・ヒメネスと片親が同じ姉妹品種ということが分かっています。

黒ブドウ

カバのロゼは一般的に黒ブドウ品種のワインをブレンド、または単一品種から造られます。黒ブドウと白ブドウを混醸する場合には最低でも25%以上の黒ブドウを使用することになっています。果皮の色が付かないように搾汁すれば、黒ブドウからでも白いワインを造ることができます。

ガルナッチャモナストレルは、白とロゼに使用されアルコール度数を高め、適度な酸味を与える品種です。ピノ・ノワールは非常に滑らかで香りが良く、酸味のあるフレッシュでフルーティなワインを生みます。ロゼだけではなく、100%ピノ・ノワールの白を造ることも許可されています。

トレパットはロゼの生産のみに使用が認められています。色の濃さは控えめで適度なアルコール度数、ボディが軽いバランスのとれた酸味のワインになります。

『ブリュット』と、それ以外の違い。辛口、甘口の表記

一般的にカバは「辛口」の銘柄が多いです。代表的なのは『ブリュット』ですが、それ以外の表記や甘口もあります。見分け方は下記の表のようになっています。

※1「残糖量」は最終的な製品に含まれる糖の量です。ワインはブドウの糖分を醗酵させてアルコールを造ります。醗酵の過程で糖分が減っていき、最終的に残るものがワインの「残糖」です。スパークリングワインの場合は(※2)のドザージュによって足された糖も合わせたものが残糖量になります。

※2「ドザージュ」は、スパークリングワインの甘味を調整するためのリキュール添加のことです。リキュールの量で最終的な甘辛度を調整しています。

読み方表記味わい残糖量※1備考
ブルット・ナトゥーレ
Brut Nature
辛口
3g/L未満
ドザージュしない※2
エクストラ・ブルット
Exrta Brut
辛口
0~6g/L
ブルット
Brut
辛口
12g/L未満
一番多くの銘柄がこれ
エクストラ・セコ
Exrta Seco
やや辛口
12~17g/L
セコ
Seco
やや辛口
17~32g/L
セミ・セコ
Semi Seco
やや甘口
32~50g/L
ドゥルセ
Dulce
甘口
50g/L超

カバの熟成期間はどのくらい?

カバは瓶内二次醗酵という方式で造られます。一次醗酵でアルコールを含んだベースのワインができ、二次醗酵で炭酸が生まれます。この二次醗酵を瓶内で行うと時間、手間とコストがかかりますが上質なスパークリグワインができます。二次醗酵が終わると発生する澱を取り除く作業が行われます。

「瓶詰め」から「澱抜き」には最低期間が定められています。高級なスパークリングワインの代名詞「シャンパーニュ(シャンパン)」の場合、瓶詰めから澱を抜く作業まで12か月で、カバの場合は9か月です。

とはいえカバでも一般的には1~2年、高級品では3~4年の間熟成されていて、長い熟成によって泡は細かく持続性が高くなります。そして香りや風味もよくなります。

熟成期間の表示

カバ・デ・グアルダ

(Cava de Guarda)

瓶詰から澱抜きまでの瓶内貯蔵・熟成期間が9か月以上

 

カバ・デ・グアルダ・スペリオール

(Cava de Guarda Superior)

2025年以降はオーガニック栽培されたブドウ100%で、辛口(ブルット・ナトゥーレ、エクストラ・ブルット、ブルット)が対象です。

以下の条件を満たす3つがあります。
レセルバ(Reserva)
瓶内貯蔵・熟成期間が18か月以上

グラン・レセルバ(Gran Reserva)
瓶内貯蔵・熟成期間が30か月以上

カバ・デ・パラヘ・カリフィカード(Cava de Paraje Calificado)
瓶内貯蔵・熟成期間が36か月以上。自社醸造。単一収穫年のヴィンテージ・カバのみ。
樹齢10年以上の樹から収穫、手摘みであること。
最大収穫量8,000kg/ha、最大収量48hl/ha、最大搾汁率60%
などの細かい規定があります。

カバの生産地図

カバの生産が認められているのは、地図の4エリアです。

コムタッツ・デ・バルセロナ

(Cometats de Barcelona)

カタルーニャ州の生産地域です。カバの95%はここで生産されています。細かくは、以下の5つのサブ・ゾーンに分かれています。

  • バイス・ダノイア・フォシュ(Valls d‘Anoia-Foix)
  • セラ・デ・マール(Serra de Mar)
  • コンカ・デル・ガイア(Conca del Gaia)
  • セラ・デ・プラデス(Serra de Prades)
  • プラ・デ・ポネン(Pla de Ponent)

バリェ・デル・エブロ

(Valle del Ebro)

バスク州アラバ県、ラ・リオハ州、ナバーラ州、アラゴン州にまたがっており、2つのサブ・ゾーンから形成されます。

  • アルト・エブロ(Alto Ebro)
  • バリェ・デル・シエルソ(Valle del Cierzo)

ヴィニェードス・デ・アルメンドラレホ

(Vinedos de Almendralejo)

エクストレマドゥーラ州にあるゾーンです。アルメンドラレホ市に限定されていて、サブ・ゾーンはありません。

アルトス・デ・レバンテ

(Altos de Levante)

バレンシア州にあるゾーンです。レケナ市に限定されており、サブ・ゾーンはありません。

生産者スタンプ

エルボラドール・インテグラル

(Elaborador Integral)

ブドウを圧搾してから醸造までを一貫して100%自社で行う生産者のために発行されました。ブドウは自社生産でなく、購入しても構いません。

2019年の関税撤廃

2019年2月からEU地域からのワイン輸入にかかる税金が撤廃されました。スパークリングワインの場合、スティル(炭酸のない)ワインよりも高めの182円/Lの関税がかかっていたのが即時撤廃されたため、カバをはじめとするEU圏内のスパークリングが注目を浴びました。現在でもこのEPAがコストパフォーマンスの高さに一役買っています。

関連コラム


参考文献
配布冊子/『スペインのワイン』/スペイン大使館経済商務部 発行
ヒュー・ジョンソン、ジャンシス・ロビンソン/『世界のワイン図鑑 第7版』/ガイアブックス/2014年
ジャンシス・ロビンソン、ジュリア・ハーディング、ホセ・ヴィアモーズ/『ワイン用葡萄品種大辞典』/共立出版株式会社/2019年
一般社団法人日本ソムリエ協会/『日本ソムリエ協会 教本2022』/一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)/2022年

参考サイト

D.O.CAVA/2024.2.5閲覧

https://www.cava.wine/documents/408/Pliego_Condiciones_DO_Cava.pdf

D.O.CAVA/The origin of CAVA/2024.2.6閲覧

https://www.cava.wine/en/origin-cava/4-zones/

日EU経済連携協定EPAの概要/国税庁/2024.2.5閲覧

https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/shiori/2023/pdf/0085.pdf

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