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レポート

ボデガス・ヒメネス・スピノラ ペアリングイベント体験記

ボデガス・ヒメネス・スピノラ ペアリングイベント体験記

シェリー愛好家が集う銀座しぇりークラブ銀座店で、ヒメネス・スピノラの個性豊かなラインアップを堪能。ひと口ごとに広がる奥深い世界と、料理との意外な組み合わせが生む新たな魅力の発見——シェリーの奥行きに改めて心を奪われたひとときをレポートします。

会場に足を踏み入れた瞬間、鮮やかな赤のクロスが目に飛び込み、スペインらしい情熱としぇりークラブ銀座店特有の温かい空気に包まれました。へレスの風が吹き抜けるような内装に、胸の奥が高鳴ります。来場者はシェリー愛好家の方が多いので、席に着くと、参加者の皆さんと自然に会話が弾み、好きなボデガやこれまでのスペイン旅行の思い出、そして「今日はどんな料理が出てくるんだろう?」という期待が、テーブルの周りに広がっていきました。

昨年参加された方々からは、「ペドロ・ヒメネス ソレラ1918 × 短角牛のオーブン焼き ブルーチーズソース」が忘れられないという声が多く、今回のペアリングへの期待も一層高まります。

エクセプショナル・ハーヴェスト × ホワイトアスパラ・パプリカソース

最初の一杯はエクセプショナル・ハーヴェスト。ふくよかな果実味が、春の訪れを告げるように優しく広がりました。ホワイトアスパラの柔らかな甘みとパプリカソースのまろやかさが寄り添い、軽やかでありながら印象深い幕開け。会場の空気が一気に華やぎ、これから始まる物語への期待が高まります。

フェルメンタシオン・レンタ2021・2023 × カリフラワーと新玉ねぎのスープ、菜の花とスナップエンドウのサラダ

補糖をしないペトロ・ヒメネスから感じられる、爽やかな酸と成熟したアプリコットのような果実感、トーストやアーモンドのような香ばしいアロマがひとつにまとまり合い、味わい深い余韻が品質の高さを演出する一本。

2021はフェルメンタシオン・レンタ王道のきれいな酸が際立つスタイル。雨が非常に多く成熟が難しい年であったものの、ゆっくりと成熟が進んだことが結果的に功を奏したそうです。味わいにミネラル感と共にほのかに春野菜を思わせるビター風味がある、「菜の花とスナップエンドウのサラダ」を引き立てるバランス感を演出してくれました。

対する2023は過去80年で最大の旱魃という年だったこともあり、いつものような酸をもたせるのに工夫が必要なヴィンテージでした。王道のフェルメンタシオン・レンタよりふくよかで、熟成が進んだようなスタイル。アプリコットやダージリンティーのようなアロマティックさとマイルドなテイストは「カリフラワーと新玉ねぎのスープ」とのバランスがマッチ。

オールド・ハーベスト ミディアム ソレラ1964 × モンゴウイカのエスカベチェ

温かいエスカベチェが登場した瞬間、少し驚きが走りました。ボリューム感があり、「酸味をどう感じさせるんだろう?」という疑問も。しかし、オールド・ハーベストの熟成による深みと甘みが、料理につけられた穏やかな酸味と見事に調和し、口に運ぶたびに新しい発見が生まれます。
参加者同士で「これは意外!」と目を合わせ、思わず笑みがこぼれる一皿でした。

ペドロ・ヒメネス ソレラ1918 × ハンガリー産鴨ムネ肉と金柑のロースト

昨年の会に続き、今年もペドロ・ヒメネスをメインのお肉料理に合わせるという驚きのペアリング。鴨肉の旨味と脂のコク、そこに金柑のほろ苦さが重なり、ペドロ・ヒメネス1918と合わせた瞬間、世界が一気に広がるような感覚に包まれました。
濃厚な甘みと複雑な余韻が折り重なり、シェフの経験と発想力が皿の上で鮮やかに花開く、圧巻のペアリングでした。

ブランデー クリアデラス 1984 × トシーノ・デ・シエロ

締めくくりは、芳醇な香りをまとったブランデー・クリアデラス。トシーノ・デ・シエロ(プリンのようなデザート、卵黄・砂糖で作られ、牛乳を使わない)の濃厚な甘みとほろ苦さが寄り添い、最後の一口まで春の余韻をゆったりと楽しませてくれました。グラスを置いた瞬間、心地よい満足感が静かに広がります。

イベント全体を通して印象的だったのは、参加者同士の自然な意見交換でした。「どう合うのか」「自分ならどう応用するか」といった会話が次々と生まれ、ただ味わうだけでなく、学びや発見が積み重なっていく時間。
ワインへの興味がさらに深まり、料理とのペアリングを楽しむ次の一歩へと広がる、豊かな体験となりました。

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