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シェリーとはどんなお酒? ワイン上手にこそ知ってほしいシェリーの世界

シェリーとはどんなお酒? ワイン上手にこそ知ってほしいシェリーの世界

シェリーの種類や飲み方をご紹介するコラム。地元スペインで人気のカクテルアレンジや、料理との合わせ方情報も。日本の四季に合わせて選べば、種類の多さも魅力のお酒です。

氷を入れたグラスに軽めの辛口のシェリーを注ぎ、炭酸水で割る。

シュワっと心地よい発泡感。きわだつのは、乾いたような香りとほのかな塩味。どこまでも辛口で、どこか筋が通った感じがかっこいい。炭酸水で割ることでアルコールが軽くなったシェリーが、身体にすっとしみ込んでふくらんでいく。

夏の夕方、食事をする前の一息つく時間に飲むのに最高で、その時の気分でレモンやミントの葉をいれれば爽やかさも増す。今日もおつかれさまと言いたくなる一杯です。

バイヤーから教えてもらったこの飲み方、現地のシェリーの飲み方を応用したものです。
とても手軽で夏の日常を嬉しくしてくれる私の定番カクテルとして、身近なワインになりました。


ワイン好きでもあまり馴染みのない方が多いシェリー、この夏から始めてみませんか?

シェリーとは?

降りそそぐ太陽にフラメンコの歌と踊り。情熱の国スペインを象徴するようなアンダルシア地方。シェリーはこの地で造られるワインです。

一般的なワインに比べると高めのアルコール度数、そして、辛口のシェリーはカクテルにして楽しまれることも多いことから、蒸留酒やスピリッツと混同しそうになりますが、ポート、マデイラと並び、世界三大酒精強化ワインと言われる、れっきとした白ワインです。

シェリーの産地

アンダルシア地方にある「ヘレス・デ・ラ・フロンテラ」、「サンルカール・デ・バラメーダ」、「エル・プエルト・デ・サンタ・マリア」の3つの街を中心に限られた地域で造られます。三つの街を結ぶと三角形になるので、通称シェリー・トライアングルと呼ばれています。

アンダルシア地方は日照時間が長く、まさに「太陽の国」スペインを表すような土地。降水量が少ないこの地で、ブドウの生育を可能にしているのが「アルバリサ」土壌です。石灰質を多く含む真っ白なこの土壌は保水性が高く、雨季に水分を蓄え、乾季にブドウの根から水分を与えることができるのです。

シェリーのブドウ品種

「パロミノ」、「ペドロ・ヒメネス」、「モスカテル」の3種類の白ブドウが認められていますが、栽培比率の95%以上がパロミノ種です。
ペドロ・ヒメネスとモスカテルは発酵を途中で止めるので大変甘いワインになります。


シェリーのつくり方とソレラ・システムとは?

ブドウの収穫、圧搾、発酵までは白ワインと同じ醸造工程を進みますが、樽に詰める時に、わざと空気の層を残すのがワインとの大きな違いです。

フィノタイプのシェリーは、パロミノ種を使って完全発酵させた辛口のシェリーです。
産膜酵母が生育しやすいように、ベースワインを15度に酒精強化します。熟成期間中、この産膜酵母がワインを酸化から守り、同時に、独特の風味を与えます。この工程を生物学的熟成と呼びます。

酒精強化でアルコール度を17度以上に上げると産膜酵母は生育できない環境になり消えていきます。つまり、ワインは常に酸素に触れることになり、酸化熟成が起こります。色合いは琥珀色からマホガニー色へと変化し、ナッツのニュアンスを伴う深い香りが現れたフルボディのワインになります。こちらがオロロソタイプで、オロロソはスペイン語で匂い、風味を意味するオロールに由来します。

シェリーの製法と言えば「ソレラ・システム」。正式には、「ソレラ・イ・クリアデラ・システム」と言います。
「criadera(クリアデラ)」は育てるという意味に由来するそうで、クリアドレス(育てる人)というテイスターが毎日入念に樽ごとにテイスティングを繰り返し、どの樽をどのシェリーにするのか、まさに育てるように生産者が表現したいシェリーに近づけていく、非常に高度でミステリアスなシステムです。

熟成庫はボデガと呼ばれ、フロールが好む温度と湿度を保つための工夫がされています。

強い日差しを遮断するため50センチ以上の分厚い外壁に守られたボデガには、樽が3~4段の列を成して積み上げられています。最下段の樽は「ソレラ」と呼ばれ、最も年数の古いワインが入っています。直ぐ上の段の樽を「第1クリアデラ」、下から3段目の樽を「第2クリアデラ」と呼び、段が上がるごとに少しずつ若いワインが入った樽が組み上がっています。


出荷される際は一番下のソレラから適量を抜き取り、同量を上段の樽から抜いて古い樽に補充します。
常に継ぎ足しを繰り返しながら、何年もかかって古いワインと若いワインが混ざり合いながら、古いワインの個性を若いワインが受け継いでいく。シェリーは、収穫年の天候などには左右されず、好みの味のシェリーが見つかれば、いつでもその求める味を楽しむことができるのです!


シェリーの主なタイプ

ブドウ品種による違いに加え、発酵の工程までは同じワインだったものが、熟成方法の違いによって味わいや香りが驚くほど多様に変化するシェリー。こちらでは、基本のタイプを3つご紹介します。

①フィノ

アルコール度数は15%以上。フロールの膜の下で熟成するため、フロールの香りがつくタイプです。 色が淡く、スッキリ軽い辛口タイプ。生ハムや軽めのオードブルをつまみながら飲むのに最高で、食前酒として冷やしてストレートで楽しむのもよし、炭酸水で割ってカクテルにしてもよし。軽やかに、カジュアルに楽しめます。

②オロロソ

アルコール度数は17度以上。琥珀色からマホガニー色の色調です。酸化熟成によって豊かな香りと深いコクを持たせた辛口タイプ。合わせる料理の幅が広がり、肉料理や煮込み料理、熟成が進んだチーズとともに。

③ペドロ・ヒメネス

ペドロ・ヒメネス種というブドウを干しブドウ状にしたものから造られる、マホガニー色の極甘口タイプ。口に含むと、とても滑らかに極上の甘みが広がります。

季節に合わせて楽しむのはいかが?

ワインにとっては合わせることが難しい食材も受け止める料理との相性が良いシェリー。特に、魚介類との相性は抜群で、調理法を問わないほど!

四季のある日本では、気温や天候に引っ張られ、食べたくなるもの、飲みたくなるものが変わるので、先ほどご紹介した3つのタイプのシェリーを季節に合わせて楽しむのはいかがでしょう。

まずはフィノ!辛口のフィノシェリーをスプライトなどの炭酸入り清涼飲料水で割るカクテルは「レブヒート」と呼ばれ、アンダルシア地方ではお祭りで飲まれるカクテルだそう。



こちらの記事の冒頭でご紹介した炭酸割りも、現地の飲み方を応用した、夏向きカクテルとしてもおすすめです。
淡く黄金色の色合いが、炭酸の泡立ちとともに美しく輝き、夏の夕暮れに飲めば、体から熱をスッと奪って、軽やかな味わいがしみ込んでいきます。
ジメっとした日本の夏におすすめの飲み方です。


徐々に気温が下がって過ごしやすくなって、秋の気配を感じるとともに、コクのある料理を求めるようになったらオロロソを。ローストした赤身肉やジビエとの相性は抜群です。

そして、ゆったりと食事を楽しむ冬、食後にペドロ・ヒメネスのとろけるような甘美にじっくり浸る。
3つのタイプのシェリーではありませんが、生牡蠣がお好きなら、酸化熟成タイプのアモンティリャードと合わせて、ペアリングの妙を楽しんでいただきたい。


お好きなスタイル、お好きな料理と合わせて、個性豊かなシェリーの世界をお愉しみください。

おすすめのシェリーをご紹介いたします

シェリー コロシア フィノ
ボデガ・グティエレス・コロシアは、エル・プエルト・デ・サンタ・マリアを流れるグアダレーテ川の河口に面したただ一つのボデガ。河口からの湿気がシェリーには欠かせない「フロール」の形成に最高の環境を作っています。フレッシュな辛口タイプで、僅かに感じる塩味が食欲をそそります。

シェリー コロシア オロロソ
フィノと同じ生産者が造るオロロソ。酸化熟成をさせた辛口タイプで、コクのある料理とのペアリングも楽しめます。

シェリー ペドロ・ヒメネス ソレラ 1918
1919年設立、100%ペドロ・ヒメネス種で極甘口の生産に特化した非常に珍しい(アンダルシア地方ではここだけ)ボデガ。濃縮した果実のフレーバーが、「これでもか」と複雑に重なり合い、べたつきが全くない上品な甘さ。

エクセプショナル・ハーヴェスト
ペドロ・ヒメネス種をスティルワインとして醸したのがこちらのワイン。極甘口用のブドウを摘み取った後に、樹に残ったブドウを21日後に遅摘みする事により、自然のブドウのアロマや甘さがフレッシュに感じる事が出来ます。更に、シェリー樽で熟成しているため、芳醇なアロマが楽しめます。

  • Exceptional Harvest
    スペイン
    スペイン
    • 2018

    Bodegas Ximenez-Spinola S.A.

    ボデガス・ヒメネス・スピノラ

    Exceptional Harvest

    エクセプショナル・ハーヴェスト

    750ml, 3,250 yen

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