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- 南アフリカ ウエスタン・ケープ
リーフランド・ヴィンヤーズ
Lievland Vineyards
南アフリカの名門スターク・コンデのオーナー醸造家ホセ・コンデ氏とユーステンバーグのオーナー醸造家であるティレル&フィリップ・マイバーグ兄弟が2017年に立ち上げたワインブランドです。90年台後半には南アフリカTOP生産者であったステレンボッシュのワイナリー「リーフランド」の農園・醸造所跡地を購入。名門ワイナリーに新たな息吹を吹き込む3人の挑戦が始まりました。
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- R44, Klapmuts, Stellenbosch
スターク・コンデのホセ・コンデ氏が惚れ込んだ歴史あるワイナリー
ホセ・コンデ氏とワイナリー
ステレンボッシュの北端、ワイナリーが並ぶシモンズバーグの「ゴールデン・マイル」と呼ばれる銘醸地に位置するリーフランド。
リーフランドは「Love Land=愛の土地」を意味し、その牧歌的な美しさに魅了されない人はいないでしょう。
1990年台後半、リーフランドは南アフリカのトップエステートの1つと見なされていましたが、その後所有者が変わっていった事でワイン造りは次第に途絶え、最後にはブドウ畑も放置されてしまいました。
この可能性を秘めたブドウ園に早くから強い興味を抱いていた人物がいました。
マン・ヴィントナーズの共同経営者であり、名門スターク・コンデのオーナー醸造家ホセ・コンデ氏と、
ユーステンバーグのオーナー醸造家であるティレル&フィリップ・マイバーグ氏は2017年、満を持して行動に出ます。
3人はブドウ園が持つ以前の栄光を取り戻すべく農場を購入し、敷地内に新しいセラーを建設させ大規模な畑の整備にも取り組む一大プロジェクトを始動させたのです。
そして、2018年には待望の「リーフランド」ブランドをリリース。
リーフランドのワインには、ステレンボッシュやパールの古木やブッシュバイン、優良畑のブドウが使用され、丁寧にテロワールが描き出されています。
ティム・アトキンの南アフリカレポートでも毎ヴィンテージ90点以上の評価を獲得しています。
「リーフランド」の始まり ~ヘンドリカ夫人によって耕された美しい畑~
緩やかな傾斜に囲まれた、美しい畑
『最盛期のリーフランド』
リーフランドはもともと、1715年にオランダの東インド会社の木こりであるユルゲン・ハネコム氏に与えられたはるかに大きな地所、ナッテ・ヴァレーの一部でした。
長年にわたって多くの所有者を経て、農場は現在の区画に分割されました。
転機となったのは、1934年にラトビア出身のフォンスティレンヒェルム家に売却されたことでした。
彼らは、祖国ラトビアの紛争から逃れるために南アフリカへの移住を計画していました。
しかし、当主である男爵が不運なことに出発前に亡くなってしまったために、
未亡人となった男爵夫人ヘンドリカは5人の子供と共に元の計画のまま南アフリカへ移住し、未経験のまま農場を引き継ぐことになったのです。
農場は彼女の夫と子供たちの出生地にちなんで、『ファーム・リーフランド』と呼ばれるようになりました。
ヘンドリカ夫人はは当時としては非常に珍しい、大規模なケープのワイン農場を経営している女性となりました。
貧しいだけでなく、農作業やワイン造りは全くの未経験でしたが、隣人のサポートと彼女の秀でた行動力によりブドウ畑を再建させ、ワインはだんだんと高い評価を得るようになります。
ワイン造りを始めた当初は一軒一軒、軒先を回りワインを訪問販売していましたが、
最終的には70ヘクタール以上の畑を管理するまでに成長し、馬を使用し畑を耕作していました。
その後長年にわたり、リーフランドはステレンボッシュを代表するシラーズの生産者として名を知られるようになったのです。
こうして、南アフリカ初の女性ワインメーカーとなったヘンドリカ男爵夫人。
全く経験がなかった彼女にとって、全てが初めての経験で苦悩と困難の連続でした。
そんな中で挑戦を繰り返しながら経験を積んだヘンドリカ男爵夫人は、樽発酵技術を用いたシュナン・ブランを最初に生産したワインメーカーとしても知られています。
歴史ある農園で現代に合わせたモダンなワインを
南アフリカ出身の醸造家、リアーン・モラー。ヨーロッパやカリフォルニアで経験を積んできました
男爵夫人の時代から時が経ち、ついに2017年にMAN Family Winesによってこの「眠れる森の美女」のようなワイン農園は買収されました。
そして豊かな遺産を尊重しながら、現代の消費者のために世界クラスのワインを造るという明確な使命のもと、慎重に復元されてきました。
リーフランドは、ステレンボッシュのプレミアムブドウ畑が並ぶシモンスバーグ山脈の麓に位置しています。
水はけの良い土壌、緩やかな斜面、そして海岸からの冷涼な影響の恩恵を受けており、
このテロワールがブドウのゆっくりとした熟成を促し、果実には生き生きとしたフレッシュさが見られます。
天然の湧き水がエステートの中央を流れ、季節を通じて2つのダムに十分な水を供給しています。
リーフランドの土壌は分解花崗岩で、粘土の割合が高く、均一に小さな小石のような質感を持っています。
リーフランドのワイン造りは、ワイン造りの基礎基本に忠実であることと、そしてブドウ畑を健全な状態に保つことの2点に基づいています。
醸造においては、慎重にどこに手をかけるべきなのかを判断して介入を最小限に抑えています。
醗酵をどう進めるべきか、樽香を与えすぎない適度な樽の使用、そして丁寧な熟成。
ワイナリーが目指すのは、伝統的なワイン造りの方法を活用しながら、表現力豊かでバランスの取れたモダンスタイルのワインを造ることです。
リーフランドロゼのボトル。ボトルにはスプリングボックに乗った天使が描かれています。
初めて農場を訪れたとき、オーナーの一人であるホセ・コンデ氏は、赤ん坊のスプリングボックを子供のように育てる2頭の馬に衝撃を受けたと言います。
スプリングボックとは南アフリカの国獣にも定められている動物です。
南アフリカのラグビーナショナルチームも「スプリングボックス」という愛称で呼ばれています。
馬とスプリングボック、異なる2種族がともに暮らす感動的なシーンはホセ・コンデ氏の心に強く残り、
リーフランドのモチーフとしてラベルに描かれる事になりました。
農場で暮らす動物たち
リーフランドは、持続可能性のための環境と調和したワイン生産認証(Integrated Production of Wine, IPW)を取得しています。
この認証は、ブドウ畑からボトルまでの生産のすべての段階が厳格な環境基準を満たしていることを保証するものです。
農業には、合成農薬や除草剤の回避、ブドウ畑の最小限の耕作、カバークロップの幅広い多様化など、可能な限り再生農業の実践が含まれています。
リーフランドは、過去の遺産を受け継ぎ、発展させながら未来へつながるワイン造りを行っているのです。