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ソムリエが選んだ! うなぎに合う日本酒4選

ソムリエが選んだ! うなぎに合う日本酒4選

(2020年7月14日の記事を2022年7月20日に更新しています)
酒ディプロマ(SAKE DIPLOMA)の資格を持つソムリエがうなぎ料理を食べながら選んだ美味しいお酒の情報をお届け。日本酒を実際に合わせてみた相性と、合わせる極意を見つけました。

日本には「土用の丑の日」にうなぎを食べるという食文化がある。子供の頃、「今晩はうな丼だよ」と聞くと嬉しくてワクワクした。そんな想いは今も変わらず。丑の日、と聞くと、うなぎ!とアンテナが張るのは私だけだろうか。

大人のうなぎの食し方。蒲焼きだけではもったいない 

老舗うなぎ屋の女将が、こう話していた。
「うなぎがお好きな方というのは、ビールよりも日本酒を召し上がる方が多いです」
うなぎがご飯に合うのは、誰しも疑わない周知の事実。ならば、店の女将が言うように、お米からつくる日本酒がうなぎに合わないはずがない。

今回はそんな心躍る、日本人が大好きなうなぎ(蒲焼き)と合う日本酒を、酒ディプロマ(SAKE DIPLOMA)の資格を持つソムリエたちが検証した。ふんわりとした身とこってりした脂、絶妙に絡むたれとこうばしい香り。
たまらん、とまらん、魔のマリアージュだ。

「うなぎと日本酒」マリアージュのポイント 

基本的にうなぎは旨みがしっかりしているので、力強さやコクのある日本酒がぴったり。 特に原酒とのマリアージュがたまらない。まして蒲焼きはタレに甘みがあるため、日本酒も甘みを持ったものが合わせやすい。 うなぎの香ばしさに目をつけて、そこに古酒をもってきたなら、それこそ「通」の合わせ方。

【相性抜群の極上マリアージュ】X3 亜麻色 麹三倍仕込 純米原酒

炊き立ての新米からフワッと立ちのぼる優しく やわらかな米の甘い香りがグラスに広がる。 通常の三倍の麹を使って、「お米そのもの」が 表現されたお酒。甘酒のような米本来の甘さと、 それに負けない酸味と複雑味が、海外でも 受けている純米原酒だ。

〈ソムリエ実食コメント〉 -----------
うなぎの旨みある脂分と、タレの甘みが 麹三倍の力でググっと引き上げられるのに驚き。
ご飯と一緒にほお張ったなら、うなぎの脂やタレの旨味、皮の香ばしさ、山椒の清涼感、ご飯の甘み、その全ての美味しいところを一体感あるものに調和してくれる。

【旨味を感じながらも、より引き締まった印象に】まなつる 生もと特別純米 原酒

やや冷やし目で飲用すると生酛由来の骨太で力強い酸が心地良く感じられ、うなぎの脂とタレの甘みを程よく引き締めてくれる。
山椒を振れば、香りがさらに際立つ。タレの染みたご飯との相性はピカイチ。

【より引き締まり、次のひと口へ】庵 備前雄町 無濾過特別純米 

「オマチスト」。雄町の酒を愛する人のことを こう呼ぶそう。かつては“幻の酒米”と言われた 備前雄町のお酒は、病みつきになるほど味わい 豊か。ふくよかな旨みがありながら、キレのある 酸が特徴。

〈ソムリエ実食コメント〉 -----------
背筋のしっかり通った酸味が、うなぎの脂や タレの甘みを引き締めてくれる。
そのおかげか 食材のベタッとした印象が払拭され、旨みだけがよりクリアに際立つ。山椒との相性はピカイチ。

【番外編~マニア向け~ より複雑に、より奥深く】 熟成古酒 山吹 ゴールド 

10年熟成酒をベースに、複数年の熟成古酒を 絶妙のバランスでブレンド。時の流れにより磨かれた 琥珀色が美しく、その味わいはまるでシェリーの中でも 上質なアモンティリャード。蜂蜜やカラメルの香ばしい 甘みと、日本酒ならではの爽やかなドライ感を同時に 楽しめるのが魅力だ。

〈ソムリエ実食コメント〉 -----------
古酒特有のスモーク感が、蒲焼きの香ばしさを 引き立てる。山椒をふれば、さらに奥行きのある深い味わいに。ほろ苦さがアフターをきれいに締め、次のひと口へと誘ってくれる。心地よい旨みがすっと切れていく、バランスのとれた熟成酒ならではの合わせ技。

いかがだっただろうか。土用の丑の日に、「うなぎと日本酒。」
たまらん、とまらん、魔のマリアージュ、ぜひ試していただきたい。
貴重なうなぎだからこそ、ぴったり合うお酒で最大限の美味しさを引き出して味わうのが、大人のうなぎの食し方。ぜひ今年の「丑の日」は大人の楽しみ方で。

モトックスの日本酒ページでは、今回取り上げたものも含めた様々な日本酒をご紹介。

こちらも合わせてチェック:モトックスの日本酒ページ「Craft Sake」

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