ソムリエによる検証

試したのはデリバリーでオーダーした人気の高い6種類のピザ。10本のワインと合計60通りのペアリングを試して、宅配ピザに合う『鉄板ワイン』を見つけました!
全般に素晴らしい相性だったワインを2本、ピザの種類ごとにおすすめ6本をご紹介します。
ピザに合うワインを見つけるコツ
宅配のピザは全体的に、生地・チーズ・ソースの旨味があいまった「甘旨さ」が際立っています。合わせるワインの条件は適度な「しまり」があること。「しまり」で食とワインがすすみます!
軽いタンニンでしまる、絶妙な酸味の赤ワイン
赤ワインなら軽め、というのがピザに合う基本条件。『キアンティ』はそのお手本のような1本で、軽いタンニンと、酸味が心地よくピザとマッチ。また、ピザに使われることが多いトマト(またはトマトソース)とキアンティの酸味、赤果実感がとくによく合います。
適度な酸味でしまる、果実味豊かな白ワイン
果実味、酸味のバランスが、ピザのボリューム感にちょうどよい一本です。個性は強すぎず、かつピザに負けることのない絶妙さ。香りがよく、酸味の「しまり」がピザと合わさることで杯がすすみます。さらにワインの果実味が心地よく広がってくれます。
種類別ピザとワイン組み合わせ
宅配ピザの人気メニュー別に、とくに合ったワインをご紹介します。
マルゲリータ

マルゲリータととくに相性がよかったのは、前出の『キアンティ』。
トマトの酸味とワインの酸味が同調し、軽いタンニンがピザの風味とマッチしていました。
白ではこの「エスト エスト エスト」。
このワインは味わいに派手さがなくニュートラルな感じながら、酸味がさわやか。シンプルなマルゲリータだからこそ、このワインの素朴さがよく合います。
照り焼きチキン

ソースに使われているマヨネーズの風味、コーンの甘い香り。
これには鉄板白ワインに選んだ『イル・プーモ』をはじめ、白ワインが全般的によく合いました。
とくに、樽感と熟れたシャルドネのコクがピザの甘うまさと相乗効果を生みます。ピザとワインの方向性がぴたりと一致して、満足度の高いペアリング。
マヨネーズやクリーム系のソース、具にコーンの入ったピザならどのメニューでも合いそうです。
ガーリックシュリンプ

ガーリック風味のパンチ、アンチョビの強い塩味がきいたピザです。
ワインにはこれらの個性に負けない酒質、アンチョビの塩味とも張り合える力強さのある白がおすすめです。
このピノ・グリージョは、酸味に潮っぽいミネラルが際立ち、果実感ともバランスよく主張してくれます。
カレーピザ

カレーソースをベースにマヨネーズのコク、具にはポテトのメニュー。
フレーバーはポテトサラダとカレーをいっしょに食べるかんじ。
これには「バルベーラ」の果実味が合いました。カレー風味の香りとワインのドライフラワーのようなアロマが共通。ポテトが入ったピザはボリューム感がでるので、ワインにもどっしりした存在感がほしくなります。パンチのあるカレー味と締まりのあるタンニンがちょうどよく、酸味がボリュームを締めてくれるところもポイントです。
クアトロフォルマッジ

宅配ピザのクアトロフォルマッジは、ゴルゴンゾーラチーズの個性がやさしめ。塩味と蜂蜜の甘味が心地よいです。
白ワインは全体的に合う印象でしたが、飲みごたえのある赤ワインもアリでした。
タンニンのほどよさが大切。その点、この「ロンガネージ」はタンニンが柔らかくチーズの甘味とワインの果実味、ゴルゴンゾーラチーズの焦げたところとオーク樽香のバニラっぽさがあいまっていました。
シーフード

ピザの具材となっている魚介と合うかどうかが、ワイン選びのポイントです。
ワインに海っぽいミネラル感があると合いやすくなります。
海鮮物とプーリア(南イタリア)のワインは鉄板と言われています。柔らかい果実とタンニン、潮っぽさと魚介は赤ワインだけれどおいしく感じられる。クリーム系のトマトソースだから柔らかな味わい同士がよくマッチ。
ガーリックシュリンプの白ワイン『フェウド・アランチョ』や、鉄板白ワインの『イル・プーモ』の白もよく合いました。
宅配ピザはワインのおつまみにおすすめ!
ピザはイタリア発祥の料理ですが、現在活躍している『宅配ピザ』はアメリカ合衆国で創業した企業が多めです。今回ご紹介したワインはイタリア産、アメリカ産ですが、合わせるコツがつかめればいろいろな国のワインが合わせられそうです。
デリバリーのピザとともに、いろいろなワインを試していただくきっかけになれば幸いです。



