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レポート

トゥア・リータ訪問レポート│イタリア・トスカーナ【ワイナリー訪問記 vol.12】

トゥア・リータ訪問レポート│イタリア・トスカーナ【ワイナリー訪問記 vol.12】

モトックスでは、世界中のワイナリーから厳選したワインをお客様にお届けするインポーターとして、ワインの魅力をより深く理解し、お客様に最高のワインをお届けするために、定期的にワイナリーを訪問しています。

今回は、イタリアのトスカーナ州にある「トゥア・リータ」をご紹介します。

トゥア・リータとは

トゥア・リータは1984年、創業者ヴィルジリオ・ビスティ氏と妻リータ・トゥア氏によって設立されました。

当初はわずか2ヘクタールからのスタートでしたが、娘のシメーナさん、その夫ステファノさん、そして現在は三代目となるジョヴァンニさんへと受け継がれ、現在の栽培面積は60ヘクタール以上にまで拡大しています。

イタリア
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Azienda Agricola Tua Rita

アジィエンダ・アグリコーラ・トゥア・リータ

Azienda Agricola Tua Rita

なお、ポッジョ・アルジェンティエラは、トゥア・リータが2013年に取得したマレンマのワイナリーです。現在トゥア・リータの醸造チームが手掛けています。

》ポッジョ・アルジェンティエラ

海と鉱物に恵まれた地、スヴェレート

ワイナリーが位置するスヴェレートはトスカーナ西部に位置し、人口が少なく静かな町です。正面にはエルバ島、その先にはティレニア海が広がり、自然に囲まれた美しい環境にあります。

(イタリアをブーツに例えるなら、ひざ下辺り)

海から直線距離で約12kmという立地ながら、周辺には「コッリーネ・メタッリフェレ」と呼ばれる丘陵地帯が広がり、土壌には鉄分や豊富なミネラルが含まれています。

その理由の一つが、この土地に存在するピンクマーブル(大理石)です。スヴェレートの方言では「ペルラート(Perlato)」と呼ばれており、トゥア・リータのワインに特徴的なミネラル感を与える重要な存在となっています。

畑仕事が生む品質

トゥア・リータでは、同じブドウ樹でも複数回にわたって細かくセレクション・収穫を行います。

たとえば「ロッソ・デイ・ノートリ」は他のワインより約10日早く収穫し、フレッシュで親しみやすいスタイルを実現しています。
一方で、より凝縮感や力強さを求めるワイン用のブドウは遅摘みされます。

収穫は樹の外側から内側へ向かって行われており、細かな作業が感じられました。
土壌管理は機械化されている部分もありますが、葉やブドウの管理はほとんど手作業でした。

最新設備と伝統が共存する地下ワイナリー

約10年前、トゥア・リータは新しい地下ワイナリーを建設しました。
屋根にはソーラーパネルが設置され、環境への配慮が徹底されています。

地下セラーは主に「ロッソ・デイ・ノートリ」の醸造に使用されています。

また、ワインのスタイルに合わせて以下のタンクや樽を使い分けていました。
・コンクリートタンク
・ステンレスタンク
・アンフォラ(甕)
・フレンチオーク樽

コンクリートタンク


特に印象的だったのがコンクリートタンクの積極的な活用です。
コンクリートは穏やかな酸素交換(マイクロオキシジェネーション)が可能で、ワインに柔らかさと調和をもたらし、比較的早い段階でもスムーズに楽しめるワインに仕上げることができるからです。

そのため醸造だけでなく熟成にも使用されています。

ステンレスタンク


ペルラート・デル・ボスコ ヴェルメンティーノ、ペルラート・デル・ボスコ ロッソ、ロダーノ ビアンコ、ロダーノ ロッソの醸造(醗酵)に使用されています。

アンフォラ


土やレンガを用いた「コッチョ・ペスト」で造られたアンフォラも置かれていました。

ケイル シラーの醗酵に使用されるアンフォラは、酸素の透過率が高く、果実本来の美しさを引き出します。

樽熟成へのこだわり

現在熟成に使用している樽は、すべてフランス産オークです。
様々なメーカーや焼き具合の異なる樽を毎年のブドウに合わせて選定しています。

さらに全ての樽には「オクソライン」が導入されています。
オクソラインとは、樽を回転させながら外気に触れさせず澱を攪拌できる装置で、より繊細な熟成管理を可能にしています。

樽熟成庫は2つの部屋に分けられており、マロラクティック醗酵や樽熟成のタイミングに合わせて細かく温度管理することができます。

現在も様々な樽を実験し続けており、研究に余念がありません。

(ペルラート・デル・ボスコ ロッソ用の大樽)
18~20HLの大樽で熟成され、フレッシュさやエレガントさ、そしてジューシーさを引き出しています。

テイスティング:トゥア・リータ

食事を囲みながらリラックスした雰囲気でテイスティングを行いました。

ペルラート・デル・ボスコ ヴェルメンティーノ


心地よい柑橘のアロマに加え、しっかりとしたミネラルが感じられます。
魚料理との相性が抜群で、火が入ったややしっかりとした料理が特におすすめです。

ロダーノ ビアンコ


創業者のヴィルジリオさんが「国際品種を使った個性的な白ワインを造りたい」と考えたことから生まれたワイン。

生産量が決して多くないため手間をかけており、この白ワインが大好きな妻のリータさんが自身で醸造に関わって生産を継続した時期がありました。

シャルドネ、ゲヴュルツ トラミネール、リースリングのブレンド。
香りにはトラミネールの個性を感じ、口に含むとシャルドネの存在感が際立ちます。非常に口当たりがよく、個性的でありながら親しみやすいワインでした。

ロッソ・デイ・ノートリ


近年はよりジューシーでバランスがとれたスタイルで生産されています。
肉料理はもちろんのこと、マグロや梅肉を使った和食、ローストビーフにも合わせやすく、日本の食卓でも活躍できる万能な一本だと感じました。

ワイナリーでは「ジュスト・ディ・ノートリの弟のような存在」と表現していました。

ペルラート・デル・ボスコ ロッソ


サンジョヴェーゼ100%。
非常に口当たりが良く、フレッシュでありながら質の高い果実感が印象的なワインでした。ここ数年でこのワインに適した樽を見つけ、さらに品質が向上したとのこと。

ロダーノ ロッソ


2017年に誕生した、モダンなスタイルのワイン。
プティ・ヴェルドによる凝縮感と、メルローの果実味を組み合わせたスタイルで、濃厚さと軽やかさを両立しています。ブルーベリーのような果実感と、後味の軽さが特徴で、ひと言で表現するなら「ジューシーでフルーティ」なワインです。

ケイル


ピュアなシラーを表現し、品種の魅力を最大限に引き出そうと生まれたワイン。
テラコッタで一部茎ごと浸漬を行い、その後オーク樽で数カ月熟成されます。
透明感と美しい果実感が感じられるのは、ブドウの段階からしっかりと見極めを行っているからこそ。

ジュスト・ディ・ノートリ


トゥア・リータのフラグシップ。
ワイナリーの歴史、情熱、哲学、そして土地への愛が詰まった一本です。
ボルドースタイルの構成を持ちながらも、トスカーナならではの鉄分やミネラルを感じる独自の存在感があります。
力強いだけではなく、驚くほどバランスに優れています。

トゥア・リータ シラー ペル・センプレ


シラー100%。
「永遠に」を意味する名前には、創業者ヴィルジリオさんへの敬意と想いが込められています。
トゥア・リータの中でも特別な感情が宿る、象徴的なワインです。

レディガフィ


メルロー100%。
ジュスト・ディ・ノートリを生み出す過程で偶然生まれたワインですが、今ではトゥア・リータを世界的に有名にした代表作となっています。

凝縮感に富み、リコリスを思わせる奥深い味わいを持つ唯一無二の存在です。

テイスティング:ポッジョ・アルジェンティエラ

今回はトゥア・リータのワインだけでなく、マレンマ地域で手掛ける「Poggio Argentiera(ポッジョ・アルジェンティエラ)」のワインも試飲することができました。

ヴェルメンティーノ トスカーナ


軽やかで滑らかな印象。シンプルな魚料理や魚介のフリットと相性の良さを感じました。

マレンマンテ ロッソ・トスカーナ


カベルネ・フランとシラーを使用し、ステンレスタンクのみで仕上げられます。
完熟した果実のアロマと滑らかなタンニンが心地よいワインです。

ベッラマルシリア モレッリーノ・ディ・スカンサーノ


今回特にポジティブな驚きがあった一本です。
赤い果実の香りが豊かで、フレッシュかつ親しみやすいスタイル。少し冷やして楽しめば夏にぴったりです。

ポッジョラーゾ


カベルネ・フラン100%でオーク樽熟成されています。しっかりとした骨格があり、心地よい清涼感のある香りが印象的でした。

芸術とともに歩んできたワイナリー

トゥア・リータの魅力はワインだけではありません。
ラベルデザインを手掛ける画家ラッファエーレ・デ・ローザ氏の作品は、創業当初から採用されています。

まだワインラベルにアーティストの絵画を使用することが珍しかった時代から続く伝統です。
セラーに飾られた大きな作品からも、ワインと芸術を大切にするワイナリーの姿勢が感じられました。

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