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イタリア
イタリア トスカーナ

アジィエンダ・アグリコーラ・レ・マッキオーレ

Azienda Agricola Le Macchiole

ボルゲリの全てを表すワイン、レ・マッキオーレ

トスカーナ州ボルゲリで、唯一農家がはじめたワイナリー。初代オーナー故エウジェニオ・カンポルミ氏はこの地の可能性を見出し、惜しみない努力を注いできました。メルロー100%で造られるプレミアムワイン、「メッソリオ」は2004年にワインアドヴォケイト誌で100点を獲得して以来、世界のワインファンを魅了しています。エウジェニオが亡くなった後、妻チンツィアと家族が彼の意思を引き継ぎ、2009年にはイタリア最優秀ワイナリーと評されるまでになります。トスカーナ最高峰のメルローといえばマッセート、レディガフィ、そしてメッソリオ。中でもその優美さは右岸のボルドーをも圧倒する別格の存在としてワイン・アドヴォケイト誌でも高い注目を集めています。

ただ一人、ボルゲリの農家として名を轟かす

今では死語とまで言われる「スーパータスカン」の誕生地の一つ、ボルゲリを有名にしたサッシカイアやオルネッライア。第二次世界対戦中、大好きなボルドーワインが飲めないという当時のサッシカイアのオーナーの悩みから始まったワインです。所有していた広大なボルゲリの土地の一部にボルドー品種を植え、それがいつしか評論家の目にも留まり、イタリアの一大産地へと成長したのでした。そんなスケールの大きなストーリーがあり、貴族が大半の地を所有するボルゲリの地で、ただ一人、地元の農家として新たに世界に名を轟かすカンティーナを立ち上げたのが、今は亡きエウジェニオ・カンポミル氏。彼のひたむきな努力と情熱が世界屈指のワインを生みました。

ボルゲリの個性を最も表現する手法とは

今となっては世界的に有名なボルゲリのワイン。ワイナリーの数も増える一方、ワイン史としては歴史の浅い産地で各社がそれぞれ個性を表現しようと研究が進んでいます。その中で、レ・マッキオーレは単一品種にすることこそが、最もボルゲリの個性がワインに現れると考えています。

一般的に、この地域では、ブレンドワインが主流で、国際的に受け入れられやすいワインを造っていますが、一方で個性に乏しく、ボルゲリのテロワールを体現していないワインが散見されるのも事実です。毎年同じような品質のワインを造るのが容易になる一方、ヴィンテージの個性が出にくくなります。

単一品種では、気候から醸造まで、テロワールの要素すべてがストレートにワインに反映されます。ミスが許されず、完璧なワイン造りが必要になります。これがレ・マッキオーレの個性であり、ボルゲリの地を最も映し出したワインなのです。

最高のカベルネ・フランを目指す

レ・マッキオーレはボルゲリ地区でカベルネ・フランに力を入れた最初の生産者であるということでも有名です。完熟が難しい上、酸がきつく、ハーブの香りが強くなりすぎてしまうなど、世界的にみてもカベルネ・フラン(以下フラン)100%でのワイン造りは珍しいです。

一般的にこの地では、カベルネ・ソーヴィニヨンをメインに、酸を補完する目的などでフランをブレンドしています。レ・マッキオーレでは経験を重ねるごとに、フランの酸と果実味のバランスの良さに気づき徐々に比率を高めていきました。結果、猛暑の2000年でもいきいきとした酸を保ったフランの出来を受け、2001ヴィンテージからフラン100%にしようと決意しました。

フランの可能性を早くから見出したレ・マッキオーレの成功を見て、他のワイナリーもフランを増やすなど、ボルゲリのワイン造りに大きな影響を与えました。

品種によるテロワールの表現にこだわる

【ボルゲリ・ロッソ】

レ・マッキオーレの名刺代わりとなる一本。

上級のワインと違い、複数品種をブレンドしたワイン。ボルゲリ・ロッソは、ボルゲリ・ロッソ専用の区画が存在し、収穫・醸造などすべてボルゲリ・ロッソのために行われる。したがって、このワインは「セカンド」ではない、とチンツィア氏は言う。

様々な区画からブレンドして造られるため複雑性も高く、またボルゲリの代表的な品種をブレンドして造られることからも、レ・マッキオーレにとっては最も「ボルゲリらしい」ワインとなる。

近年では、樽からの過度な抽出は避け、エレガントで飲み飽きないワイン造りを目指している。マッキオーレの素晴らしさを手軽に味わえるワインとして、人気が高い。

ラベルに描かれているのは、ワイナリーまでの「道」。

 

【 パレオ ・ビアンコ】

パレオ・ビアンコは柑橘系の香り・味わいが出るようにし、伸びのあるスタイルのワインを目指して造られています。

パレオ・ビアンコのようにシャルドネの比率の高い白ワインを造っているワイナリーはボルゲリではレ・マッキオーレの他にいません。同エリアではヴェルメンティーノを主体に造るのが一般的です。しかし、レ・マッキオーレはボルゲリの地に点在して区画を持っており、素晴らしいシャルドネがしっかりと育つ区画に出会えることができたのでシャルドネをメインにたワインを造ることとなりました。

それは、ボルゲリで、他のワイナリーがやっていないことを成し遂げる、というレ・マッキオーレのフィロソフィーを体現できることでもありました。

 

【パレオ・ ロッソ】
ワイナリーにとっては最も歴史がありフラグシップワイン。
1989年から造っている。
故エウジェニオ氏がカベルネ・フラン種の可能性を信じ、一大決心をして2000年の収獲後にカベルネ・ソーヴィニヨン種の苗木を全て切り落とし、カベルネ・フランを接木した。それ以来、カベルネ・フラン100%のワインとなった。
ボルゲリのテロワールとカベルネ・フランの個性を最大限に表現できるように常に気を付けてワイン造りをしている。バルサミックで瑞々しい地中海の特徴がでている。
クリュでは生産量が最も多く、より多くの人にパレオを楽しんでもらいたいという想いが込められたワイン。

 ● “戦うワイン商”川頭義之氏のコメント ●
カベルネ・フランの可能性を早くから見出した、イタリア(特にボルゲリ)のワイン造りに多大な影響を及ぼしたワイン。マッキオーレの成功を見て、カベルネ・フランを増やしたワイナリーの多い事は事実です。


【 スクリオ 】
初ヴィンテージ1994年。3つのクリュでは最も生産量が少ない。故エウジェニオ氏が好きだったシラー種を、イタリアの地でも素晴らしいワインが作れることを目指したもの。
樹勢が強く栽培の難しいブドウを如何にエレガントに生み出すかが焦点。ボルゲリという土地では、良質なシラーを生む区画も限られており、したがって生産本数も限られている。フランスではエレガントなタイプが、オーストラリアではパワフルなタイプがそれぞれあり、エウジェニオ氏は両方のタイプを造りたかったが、実際に出来上がったものはボルゲリのテロワールを呈した個性あるワインだった。

● “戦うワイン商”川頭義之氏のコメント ●
果実味と酸味のバランスと取ることが難しい品種なので、収穫のタイミングを間違えると良いワインが出来ない。その難しいブドウ品種を飲みやすく、エレガントに造っている点は他社のイタリアのシラーではなかなか見つけられない。私の中ではイタリアで一番美味しいシラーです。大変少ない生産量と栽培コストのバランスを考えると、実のところかなり値段が安いといえる。


【 メッソリオ 】
初ヴィンテージ 1994年。単一品種から造られる3つのクリュの代表的なワイン。
メルローは世界的に注目をされているブドウ品種であり、ボルゲリの気候ならではの果実味溢れたワインを造りだしている。

メルロー自体は簡単に育てることができるが、そこからいいワインを産むことは非常に難しい、とチンツィア氏。区画とその年の気候に応じて葉の残し具合やグリーンハーヴェストの具合を変えることが必要で、計算を間違えると収量を大きく落としかねない神経を使う品種でもある。
フラッグシップはあくまでもパレオだが、世界的な評価が高いためこちらの注目度は非常に高い。メルローから造られるワインは味わいが分かりやすく世界的に評価は高くなる。
メッソリオは栽培面積に対して収量が低く、実際に生産量も少ない。このワインを造るために掛かるコストが最も高くなっている。
潜在的な生産ポテンシャルを100とすると、実際の生産量は10%~20%しかワインにしていない。